台風16号の影響でしょうか、お彼岸の入りだというのに真夏を思わせる暑さが続いています。
昨年もそうでしたが、寒暖の差がないと紅葉が遅れ美しく色づきません。「秋の夕日に照る山紅葉」と歌いたくなるような、そんな風景が待ち遠しいですね。
こちらも、だんだんと秋の気配が漂ってきた京都市右京区京北。北山杉の里とはまた違った広々と自然に包まれています。
先日、京都市域産材供給協会の提供材の確認に同行して、みやこ杣木(そまぎ)認証制度・生産事業体、中でも北山丸太を主に取り扱っているU銘木店を訪問しました。

すぐ傍には曹洞宗・永林寺の表参道入り口があります。
永林寺は全国にたくさんありますが、こちらは1456年に宇津備前守の発願によって、天陽文大和尚の開基と伝わる古刹です。
創建後は栄えたものの戦国時代の兵乱で焼失し、一時は僅かに本尊と寺地を残すのみとなっていました。その後1658年に再興されたと伝わり、現在はこの旧弓削村塩田の山腹にあります。
立派な鐘楼門を構え、境内には大黒さまの石像があるそうです。次回は是非、上まで行ってみたいと思います。

そんな古いお寺に見守られながら、U銘木店では今日も作業中。

おお~丸太がいっぱい。提供部材はこちらに用意されているようです。

以前にも書きましたが、京都市域産材供給協会は京都市内の住宅リフォームに対し、北山丸太を含む一定額の「みやこ杣木(そまぎ)」を京都市補助により提供しています。
年間を通して受付期間・件数は決まっており、審査も必要です。審査を通過し提出された計画書に沿って、みやこ杣木(そまぎ)生産事業体に提供部材を依頼します。
路地ものの京野菜を普通に食べたり、家庭菜園で育てるように、リフォームを通して京都に住む人が京都の木の良さをもっともっと知ることが出来たらいいですよね。

特別に許可を得て、倉庫に潜入~(笑)

色いろな木があります。ビックリするくらい太い木や不思議な木。これは「根つき」と言われるもので、普通は伐り落とす部分ですが自然のままの姿をわざと残して。

天然の曲がった木。銘木とは 形状・色沢・木理・材質などに趣があるために珍重される木材。まさにその通り。
U銘木店は「こんな木はないやろか。」と聞かれれば「ありまっせ。」という感じです。

供給協会のニューフェイス、Rちゃんがハグしても手が回りません^^逞しすぎます。

Uさんは様々なみやこ杣木に様々な加工を施して、その可能性を見出そうとしています。
「使こてもらうことが大事。」 家の中のどの場所で、どんな表情をするのか、設計図だけでは掴めない。
ですから、出来るだけお施主さんに見に来てもらっているそうです。

階段の途中に・・・何となく見覚えがあると思ったら、台杉です。磨いて色をつけるとほら、オブジェのようです。

2階には鉛筆箱のように丸太がきちんと並んで出番を待っています。
こちらの強みは何と言っても、ストックヤード的な存在であること。丸太は伐採してから乾燥、そして市場に出せるまでには最低3年はこの状態で置かないといけません。十分な乾燥と管理が、割れを防ぎ色艶を良くするからです。
ですので、求められるものがすぐに出せるように調整しているとのこと。これだけのストックを抱えるのは並大抵のことではありません。
終わりなき闘い。けれどそれが実力であり誇りであり、信頼を得ているU銘木店の姿なのだと思います。

珍しい、縮緬(ちりめん)絞丸太。

「裏山を見てみるか~?」と言われ、倉庫を後にしました。

これは・・・普通の人造絞より当て材が大きな「変絞」 でしたね。通常2~3年巻いておくところが、変絞は5~6年、ほどいてからは10年選手に近いものもあるそうです。
永林寺に見守られ、山の神さまが舞い降りてきそうな塩田のふもとにあるU銘木店。
幻想的な雰囲気のかたらわ、ご自宅の周りには花が咲き、野菜が成り、たまねぎが吊るされワンコの家にニャンコが眠ってる。
そんな生き生きと、ほんわかした暮らしがUさんの大きな瞳に宿るエネルギーの源になっているのではないかしら・・・と思ったのでした。
お彼岸の入りとか中日とか言いますが・・・太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さが同じになる春分の日と秋分の日を挟んで、前後3日の計7日間を「彼岸」と呼びます。
「彼岸」はサンスクリット語の「波羅密多」から来たものといわれ、煩悩と迷いの世界である【此岸(しがん)】にある者が、「六波羅蜜」(ろくはらみつ)の修行をする事で「悟りの世界」すなわち【「彼岸」(ひがん)】の境地へ到達することが出来るというものです。
この期間に仏様の供養をする事で極楽浄土へ行くことが出来るそうですが・・・他力本願でなく、日ごろからお墓やお仏壇をきれいにする心のゆとりを「ストック」しておくのが大切なことですね。(了)


