今年の中秋の名月は9月30日。各地で観月の夕べが行われます。京都の大覚寺などは有名ですね。
月の満ち欠けによって暦を作っていた太陽暦では7月・8月・9月を秋としていました。その真ん中である8月15日(旧暦)を中秋と言うのだそうです。
月を愛でる行事は、もともとは中国から伝わったものですが秋は空も澄み渡り、お月さまがより美しく見えることから、この習慣は続いているのでしょう。
自宅にもお供え用のススキを用意しなくちゃ、と大森にススキが群生していたのを思い出して行ってきました。

予想に反してもう穂が開いていました。傾いてきた西陽がススキたちを包み、キラキラと輝いています。
ふと、「何故ススキをお供えするのだろう?秋の七草の一つだから?」と思い、調べてみました。
月は昔から世界的に農作の守護神として崇められてきました。ハーベスト・ムーンとも言いますよね。
ススキを飾るのは、稲穂に似ているからで地方によっては稲そのものを使うところもあるとか。ススキの鋭い切り口が魔除けになるとされ、お月見のあと軒先に吊るす風習もあるそうです。
そして、さつまいもや里芋がこの時期収穫出来ることから、十五夜のことを「芋名月」とも呼びます。
このように月の満ち欠けを頼りに時の流れを感じ、農耕に役立ってきた月に感謝の気持ちを込めて収穫した農作物をお供えしたのが、もともとの中秋の名月のお供え物の意味だったのではないでしょうか。

貸農園のそばにある大森加茂神社。瀬織津姫をお祀りする神社ですが、石の鳥居をくぐると小さな小さな流れがあります。
平安時代には貴族たちが観月の宴を繰り広げました。舟遊びで歌を詠む・・・昔の人はお月さまを直接見るのではなく、水面に揺れるまぁるい月や盃に映る小さな月を見て楽しんだのです。何て優雅で奥ゆかしいのでしょう。
この前、中国の方が作った月餅をいただいたのですけど、中に鴨のたまごが入っていて半分に割ると黄色いお月さまがその中にいました。サプライズでもあり粋な演出だなぁと思いました。
ほかにも葡萄はつる性の植物ですから、月と人との繋がりが強くなり縁起がいいとか、色々な発見がありました。
いずれにしても、秋の収穫物はお月さまに感謝して、作って下さった人に感謝して、お供えしてから美味しくいただきましょう!

あぜ道にチカラシバがたくさん生えていました。
イネ科のこの植物、引っこ抜こうと思ってもなかなか抜けません。地面への力が強いから?抜くのに力がいるから?チカラシバと言うのかも知れませnf(^^);
だから穂の部分だけどギュ~っとしごいて丸めて「ほら毛虫~」とかして遊んだことを思い出します。

やわらかい青空が広がる午後四時。電信柱が長い影を落として、まるで民家へと続く線路のよう。
風が気持ちよく、農園で作業する方もあの灼熱の8月に比べたら仕事が捗ります。
加茂神社では自ら境内を掃き清める女性が。「自然とそういう気持ちになる」と車には帚と塵取りを積んでいるそうです。
自然に生かされているから、自然に感謝する。それは当たり前のことですが、なかなか普段の生活の中では実行に移せません。
季節ごとの風習も、ただ飾ったりお供えするだけでなく、意味を知ってからするのでは全然違うと思いませんか?
大森でススキも有り難く頂いてきたし、今年は収穫に感謝しながらお月さまを映してみましょうか。大ジョッキにだったりして(笑)


