ブログ 北山杉の里だより

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日記

3月になりました。

2012.3.1  日記 

弥生三月。寒さもやわらぎ、春の気配が漂ってきました。北山杉の里総合センターでは先日ご紹介した北山杉で作ったお雛さまをお買い求め下さり、お嬢ちゃんのいらっしゃるお家で飾られるのかなぁと思うと嬉しくなってきます。

そんな区切りのいい3月1日の今日、お客様をお迎えしました。

 

近畿農政局から北山杉について見学・視察に来られ北山杉の里総合センターで会議室の床の間や杉皮を使った和紙などを見ていただいた後は恒例の枝打ち作業。

 

興味深そうに見上げておられます。

 

職人さんはいつものようにスイスイ、鉈でカンカン!

 

終わった後は、直接職人さんに質問をされました。

 

倉庫の中で磨丸太や天然出絞、人造絞丸太を見学。この後は水圧による皮むき、台杉などを見てまわられました。

丸太たちとスタッフは少々かしこまってるみたいに見えましたけど(笑)北山杉のふるさとに訪れて、実際に見て触れていただき木の温もりを感じてもらえたら幸いです。

農林水産省さま。北山杉・北山丸太のふるさとは一丸となって頑張っています。どうぞヨロシクお願いいたします!

 

苗子と千恵子を訪ねて

2012.2.20  日記 

立春を過ぎた頃、初めて苗子さんと千恵子さんに会いに行ってきました。ん?誰?・・・

川端康成さんの小説「古都」を読んだ方ならすぐにピン!とくるでしょう。幼い頃、離れ離れになった双子の姉妹の名前です。

「古都」は題名の通り、この二人を通して京都の風物や年中行事に作中で出会える物語です。映画化されたこともあって当時一般の人にはなじみが薄い「北山杉」を世の中に広めてくれた有難~い作品でもあります。

昭和36年10月から37年1月まで107回にわたって朝日新聞に連載されました。川端氏は心をこめて作り上げられた北山杉を格別に愛し、年に数回は懇意にしていた北山杉資料館の館長宅を訪れていたそうです。

昭和43年にお酒を酌み交わしながら文学碑を建てる話が持ち上がり、その場で筆をとり「古都」の一節を書いたほどであったのに昭和47年4月に川端氏はこの世を去ってしまったのです。

しかし館長ら発起人が呼びかけ文学碑は完成。その年の12月6日除幕式が行われ、ノーベル賞の対象作品ともなった「古都」の文学碑がゆかりの土地に建てられたと言うこともあって長い間、全国から訪れる人を迎えました。

北山杉資料館は現在、閉館してしまったので見ることが出来なかったのですが、お借りする資料があって開けていただきました。

 

初めてくぐる大きな門。数年前まではここで宴会をしたり、食事が出来たり観光ルートの一つでした。

 

中は広~い!パンフレットでしか見たことのない文学碑と姉妹の像にもうすぐ会えると思うと足早やになります。

流石に閉館してしばらく経ちますので、手入れがされておらず季節がら庭の樹々もボウボウです。

 

 

 

あったぁ!お~デカイ!高さ4メートル、幅は3メートル余りもある大きな石碑が山々を背景にしっかりと建っていました。

 

作者の書いた筆跡がそのままに彫りこまれています。

 

古都抄 川端康成

杉山の木末が、雨にざわめき、稲妻のたびに、そのほのおは、地上までひらめき、二人の娘のまわりの、杉の幹まで照らした。美しく真っすぐな幹の群れも、つかのま、不気味である。と思うまもなく、雷鳴である。

 

 

横から見るとこんな感じ。背面には発起人の名前などがたくさん彫られていますが経年変化のせいか、読み取り辛くなっています。

 

そして・・・姉妹の像。 物語では幼いころ呉服屋の前に捨てられた千恵子をヒロインとしている事が多いですが、私にはたちかけ姿の苗子がヒロインに思えてなりません。

これは「古都」~秋の色~の章で、千恵子と苗子が杉山に腰をおろし話しているうちに雷雨に見舞われるくだりの二人の姿です。

 

横には「古都 再会」と書かれた石が置いてあります。

 

「きれいな杉木立が好きで、たまに来ますのやけど、杉山のなかへはいったんは、はじめてやわ。」と、千恵子はあたりをながめた。ほとんどおなじ太さの杉の群れが、真直ぐに立って、二人をかこんでいる。

「人間のつくった杉どすもの。」と苗子は言った。「ええ?」

「これで四十年ぐらいどっしゃろ。もう、切られて、柱かなんかにされてしまうのどす。そのままにしといたら千年も、太って、のびるのやおへんやろか。たまに、そない思うこともおす。うちは、原生林の方が好きどす。この村は、まあ切り花をつくってるようなもんどっしゃろ・・・・・・。」

 

苗子が身をもっておおいかぶさっている姿を、千恵子ははっきりと感じた。いくら夏でも、山のなかの夕立は、手先など、冷たいようだったが、首から足を、おおっていてくれる、苗子のからだの温みが、千恵子のからだにひろがり、そして深くしみつたわっていた。言うに言えぬような、親しいあたたかさである。千恵子はしあわせな思いで、しばらくじっと目を閉じていたが、

「苗子さん、ほんまにおおきに。」と重ねていった。「お母さんのおなかのなかでも、苗子さんにこないしてもろてたんやろか。」

「そんな、押し合うたり、けり合うたりしてたんと、ちがいまっしゃろか。」

 

 

じつに真直ぐな幹の木末に、少し円く残した杉葉を、千恵子は「冬の花」と思うと、ほんとうに冬の花である。

たいていの家は、軒端と二階とに、皮をむき、洗いみがきあげた、杉丸太を、一列にならべて、ほしている。その白い丸太を、きちょうめんに、根もとをととのえて、ならべ立てている。それだけでも、美しい。どのような壁よりも、美しいかもしれない。

杉山も、根もと下草が枯れて、真直ぐな、そして、太さのそろった幹は、美しい。少しまだらな幹のあいだからは、空がのけぞるところもある。

「冬の方が、きれいやないの。」と、千恵子は言った。

「そうどすやろか。いつも見なれていて、わからしまへんけど、やっぱり冬は、杉の葉が、ちょっと、薄いすすき色になんのとちがいますか。」

「それが、花みたいや。」

「花。花どすか。」と、苗子は思いがけないように杉山を見上げた。

 

 

 

 

 

あらためて古都を読み返してみると、本当に二人の会話が聞こえてくるような気がして物語の中に惹きこまれていきます。

幼い頃に別れた双子の姉妹、ひとりは北山杉の里で貧しい暮らしをし、ひとりは捨てられたけれど呉服屋のお嬢さんとして育つ。その二人が祇園祭でバッタリ出会い「・・・あんた、姉さんや、神さまのお引き合わせどす。」なんてドラマチックな展開。

そう悲壮感漂わず最後まで読めるのはやはり苗子が、生まれ育った北山杉の里を愛しているから。

そう思うのはひいき目でしょうか?(笑)

 

余談になりますが、俳優の佐々木蔵之助さんのご実家は、今も西陣で造り酒屋を営む佐々木酒造です。川端氏が「この酒の風味こそ京都の味」と名付けた銘柄「古都」。

友人にこのお酒を呑ませようと歩いて30分もかけて買いに行ったという話もあります。

ホント、このお酒がウマイんです!

苗子目線で「古都」を読みながらチビチビと「古都」を呑んでみるのも、まったりした冬の夜の過ごし方かも知れません。

 

 

 

 

 

木造シンポジウムに参加して

2012.2.13  日記 

去る2月7日火曜日、京都駅近くのキャンパスプラザ京都にて「木の文化都市:京都」木材利用と建築について考える-と題して、木造シンポジウムが開催されました。

主催は次世代木質建築推進協議会(Next Engineered Wood Construction Association:NEWCA)、ニューカ。

豊富な森林資源とお寺や数奇屋建築など、日本文化を代表する木造の伝統技術・歴史を持つ京都。昨今、木造建築の法規制も幾分緩和され、現代住宅や京町家などに木材が多用され地域産材を活用する動きが活発化してきています。ただ現状それらがうまく流通し、活用されているのかは多くの人がよく知るところではありません。更に地球温暖化条例が施行されるに伴い街づくりの中心となる公共建築物、大型木造建築への木材の活用や付加価値を高めた地域産木材の利用拡大について、行政・設計・技術・生産の各分野において発表、ディスカッションが行われました。

 

キャンパスプラザ京都4階の会議室前に受付とパネル設置。

 

定刻の午後1時30分近くになると続々と出席者が訪れます。

 

地域産材を利用した大型木造建築パネルがずらり。

 

開会前の様子、ほぼ満席です。170人もの参加者、今回のシンポジウムへの注目度が伺えます。

 

基調発表では京都府から「京都地産木材の生産から流通、加工までの流れについて」。建築家の目線で「伝統建築とこれからの京都の木造建築の可能性について」。山形の会社から「地域産木材を活用して大規模建築をつくる手法」が発表されました。

個人的に興味深かったのは地域産材を活用した大規模木造建築でした。配布された資料の中で学校・福祉施設・美術館などさまざまな事例集を見ると、モダンでありながら木の温もりを生かした素晴らしい建築物ばかりで、風倒木(ふうとうぼく)を加工した集成材を使用しているものもあると聞き二重の驚きでした。

このような建築は、材料は地元で調達することを前提に全国プロデュースを展開されていますが「その地域の命と財産を守る素材」と言う響きに強く心を打たれました。

しかし、全国的に懸念されるのはいざ大規模な公共建築物を建てる場合、材木が集まらないという点です。

その様な問題点も含めて京都府では今後の取り組みとして原木供給センターの設置やストックヤードの整備、木材加工のネットワーク化をはかることで、川上から川下まで一貫した森林・林業経営の高度化プランを立ち上げました。

更には今春、京都府立林業大学校が開校するなど人材面でも森林・林業を支える技術者の育成と支援に力を注いでいます。

建築家の國吉さんは以前、京都北山杉の里総合センターでもワークショップを開いて下さいましたが「北山杉を自在に操る建築」~失われゆく「床柱」の、新たなステージへの提案~として伝統工法と現代技術を融合させた斬新な設計。北山丸太を大切に思って下さるお一人です。

この日は現在も桂離宮に見られる「災害を躱(かわ)す」建築法について語って下さいました。

書院全体が高床式になっていて桂川が氾濫した際にも座敷までは水が上がってこない、また川と離宮の間には生きた竹がそのまま編みこまれた垣根があって土砂や瓦礫が敷地内に流れ込むのを防いでいるなど自然災害に対する職人さん達の工夫が凝らされていた、日本独自のしなやかさで自然に逆らわず躱してきたのです。

基調発表の後は京都市の林業振興課・課長、京都市森林組合代表理事組合長も参加してのパネルディスカッション、公共施設の予算や補助金、生産者側の状況について熱く語り合われました。

やはり大切なのは縦横のつながり。ハッキリした内容の連携をもって木造事業がどうあるべきかを考えていく事で林業を衰退から救えるのではないか、そんな一筋の光が見えたような気がしました。

 

何だか久しぶりのお勉強会の場で緊張しましたが、こんなにも多くの人達が林業と木造建築に思いを抱いていることが判って参加できて良かったです。

これからも京都府・京都市におけるネットワーク化を願い生産者の立場にいる者として流れを見つめ続けて行きたいと思います。

 

 

合同作品展のお知らせ

2012.1.26  日記 

日中でも気温は0℃、寒い寒い一日となりましたが、中川小学校の講堂ではホットな作品展が今日から始まっています。

 

チョット扉は固いですけど…頑張って開けて入って来場署名をして下さいネ!

一際目を惹くのが「NAKAGAWAダンボールタワー」。それぞれが中川をイメージして描いたダンボールのピースを組み上げて、タワーにしたものです。なかなかバランスを取るのが難しくて大変だったようですよ。

一年生から順番に絵や版画の展示。 個性やセンスが光っています。

お習字は三年生から。 みんな、力強くて上手ですね。

袋に詰め物をして括ったら、可愛いクマさんやカメさんの出来上がり。 

なんと洋花の生け花です。それぞれ自分の生けたお花を手に記念撮影した写真も展示してありますよ。 

丸太を使って木工細工いろいろ。 

カッコいいジープかな?アンテナは杉皮、さすが中川の子! 

こちらは動物のトレーラーかな? 

そしてシンプルに木目を生かした将棋の駒です。どんな強い手を持ってるのでしょう? 

舞台側には一般の方、グリーンクラブからの出品作品が展示されています。 

パッチワークキルトに編み物。 

お馴染み富士山と鉄道絵画。 

苔のアレンジメントや書、色々あります。 

他にもリボンフラワーに木目込み人形など本当に様々なジャンルからお得意の技をご披露して下さっています。

 

 

【合同作品展日程】

 

             1月26日(木)午前9時~午後5時

             1月27日(金)午前9時~午後5時

             1月28日(土)午前10時~午後2時

             1月29日(日)午前10時~午後2時

 

土曜日と日曜日は遅く始まって早く閉まります。ご注意下さい。

子ども達が一生懸命創った作品と大人の方の素敵な作品がいっぱいつまった中川小学校の講堂へ、どうぞ皆さまお誘い合わせの上、お越しくださいね!

Snow-White and Blue

2012.1.12  日記 

天気予報でも「全国的に今冬一の冷え込みになるでしょう」と言われた1月12日。

本当に寒い朝になりました。京都市内は積雪はほとんどないものの気温が低く、北山の里へ向かうにつれてあたりはsnow-whiteになって行きます。

二十四節気で言うと1月5日は小寒、1月20日が大寒。

ちょうど真ん中にあたる今日、昨年末から数えると3度目の雪が積もりました。

国道から生産組合へ入る道も、まだ陽が射さないので固く凍結していてガリゴリガリゴリ!

でも午前10時前にはすっかり青空。なんという美しさでしょう。

 

まだ気温が低いので北山杉に積もった雪は溶けず、青空とのコントラストが何とも言えず綺麗です。

 

こうしちゃいられない、生産組合を飛び出して杉坂・真弓へGO=3

 

 

橋の上は見事なアイス・バーン!車を降りて歩いてみるとツルツルに凍っています。

 

 

こんなに太陽が出ていても気温は-2℃と-1℃を行ったり来たり。寒っ…!

 

橋の欄干も雪化粧。雪の女王が天からふぅ~っと息を吹きかけたみたいに、北山の里全体がsnow-whiteの世界になってしまいました。

 

つららです。小さな頃はもっともっと大きなつららが軒下に出来て、われ先にと大きなつららを取っては手を真っ赤にしながらチャンバラごっこをしたものです。懐かしい…

 

…実は、こんな小さなつららでした。(^o^)

 

大森方面へも行ってみました。

皆さん大きなシャベルを持って雪かきをされています。やはり大森は平野も多く中川と比べると積雪量もかなり多いです。

 

大森のキャンプ場へも行ってみました。すっぽり雪に包まれた入口にはお馬さんが。

「寒いよぉ…」と言ってるみたいに見えますが…

 

女の子の「オペルちゃん」。道産子で冬はめっきり強いんだそうです。

近づくと鼻をふんふん近づけながら「何かちょうだいな。」一日2回の食事、朝ご飯は済んだところなのにもう餌入れはカラッポ。

とても気の優しいオペルちゃん、シーズン中は背中に鞍をつけてお客様を乗せますが楽しみはこの一日2回のご飯。

「またね。」と手を振るとヒヒィ~ンと嘶いてくれました。

 

帰り道。さらに陽が射して眩しい雪の白。今日の雪は少し重たそうに見えます。 

 

この「重い雪」が曲者です。

さらさらの粉雪のような軽い雪ならば良いのですが、水分の多い重い雪はどっしりと圧し掛かり北山杉に大きな負担をかけます。そして木を倒してしまうほどの威力を持っているのです。

苗木や野菜などは、鹿や猪などの野生動物に対して網や柵を張るなどの対策が出来ますが、山はそういう訳にはいきません。

北山杉たちはこのような自然の脅威に晒されながらひたすら春を待ちます。

目に映る四季のうつろいは美しい一方で、厳しい現実と向き合っているものがあると言うことを忘れてはなりません。

まもなく大寒。暖房を入れたり、たくさん着こんだり出来ない北山杉のためにせめて「雪害がありませんように。」と祈りたいと思います。 

今年最初の雪の華(2)

2011.12.27  日記 

ついこの前まで紅葉で錦に色づいていた中川も、今日は一面の雪化粧。

自然の不思議と驚異、四季のある喜びと不安に似た気持ちが入り混じって、しばし言葉を失くし見つめてしまいます。 

 

少し陽が射すとたちまち溶けていく軽い雪。宗蓮寺へ行く坂道も、日中は行きかう車があるので凍りつくことはありません。

 

山茶花もすっぽり綿帽子。

 

中川の町並みを見下ろせば、屋根を生クリームで綺麗にデコレーションしたお菓子の家みたい。(何故か食べ物と結びつきます^^) 

 

四季折々、その姿を変えて見る者を魅了する宗蓮寺。いつにも増してひっそりとした佇まい、今日はどんな情景を見せてくれるのでしょうか。

 

今月初めまで真っ赤な葉をつけていた紅葉はまるで樹氷のよう。遠くから見ると満開の白い花が咲いているのかと錯覚します。

 

自然の織り成すアート?あみだくじ?石と石の隙間にだけ、雪が残ってこんな面白い石畳に。踏まないように歩かなくちゃ。

 

本堂の奥から見せていただくお庭は、本当にいくつものスクリーンを持っているかのようです。

ご住職も今日は毛糸の帽子で、「寒い、寒い」。

 

観音さまは雪の帽子に雪のショール、雪のひざかけとチョッピリ寒そうです。

 

絵画のような北山杉の風景。まるで色をなくしてしまうような雪のトッピング。

和でありながらどこかファンタジーの世界、妖精が飛び出してきそうな気配がします。

 

鳥が食べた「赤い実」は千両、それとも南天?

宿命を背負っているようなその姿は、冬の庭園に欠かせない脇役さんです。

 

やはり主役は歴史ある台杉でしょうか。少し前の紅葉と見比べてみて下さい。

 

これぞ咲き誇る冬の華。どんな舞台美術でも作り上げることは出来ない、自然の美でしょう。 

 

寒そうな雪空をまっすぐに見上げる北山杉たち。

 

時おり風が吹くとパサパサと言う音を立てて、枝から雪がこぼれ落ちていきます。

細く、長く、緻密に。

そんな使命をもって生きる北山丸太を今日、雪の中で見つめていると、ただ美しいだけではなく「健気」という言葉が浮かんできました。

白い雪の華に包まれた北山杉の里。もうすぐ2011年が終わろうとしています。

 

 

 

 

 

今年最初の雪の華(1)

2011.12.27  日記 

天気予報どおり冷え込み、厳しい寒さに「明日は雪やなぁ」と呟きながら床につかれたのではないでしょうか。

夜が明けて12月26日の朝。目覚めると北山杉の里はすっぽりと白いベールに包まれていました。

 

業務の始まった生産組合も真っ白な雪。轍を作りながら自動車が入ってきます。

 

水分を含んだ綿のような雪が山々を覆っています。今年最初の雪の華。

 

「しんしん」。響きのない音が聴こえてきます。写真に撮るとまるで点描画のようです。

 

皮を剥いた丸太も天日干しのはずが雪化粧。

 

一日遅れのホワイトクリスマス♪

たっぷりと粉砂糖をかけたロールケーキが並べてあるみたい。

  

写真家さん達が冬の台杉と雪景色をカメラにおさめていました。

 

杉坂・真弓方面の交差点にある表示板は0℃を示しています。午前10時。

 

杉坂も真っ白。

 

道風神社の前は足跡ひとつありません。欄干の朱色と雪の白色が鮮やかなコントラストを描いています。

 

小野道風さん、雪が積もりましたね。こんな寒い日は筆を持つ手も悴みそうです。

 

あらあら中川に入ると可愛らしい雪だるまが並んでいます。こんな風景も京都市内では滅多に見られません。

 

青いバケツに赤い南天の実。まぁるいお目めが愛らしい雪だるま。近づいてみると里芋です。

炭や練炭で暖をとっていた時代はそれを使って顔を描いたりしました。その炭も今ではバーベキューとか「炭火焼肉」のお店の方がよく知られていますね。

「おばあちゃん、雪だるまの目はどうやったらええの?」

「そやなぁ。ほな、こいもさん付けとき」

小さな手のひらにころんと置かれた里芋ふたつ。

雪の多い冬は山職人にとって厳しい季節です。でも、子ども達はどんなに寒くても雪が大好き。

もしかしておじいちゃんやおばあちゃんとお孫さんはこんなやりとりをしてたのではないかしら?

いよいよ冬本番、雪害も心配です。でも、微笑ましい光景を想像してみると心が和んだひとときでした。

 

 

 

世界で一つだけのクリスマスツリー

2011.12.22  日記 

12月22日。京都市内の小学校は終業式を迎えました。子ども達にとっては嬉しい冬休みが始まります。

中川小学校でも終業式が行われ、いつもより早く子ども達は下校しました。ひっそりと静まった校庭。職員室の灯りだけがともっています。

 

明日23日は天皇誕生日です。冷たい風にはためく国旗が子ども達のいない中川小学校のお留守番。

 

職員室ではバタバタとした気配が…成績つけも終わって少しばかりホッとした先生方は、今夜忘年会だそうですよ。雪になるかも知れません、呑みすぎないで下さいね。

 

冬休みに入ってのお楽しみはクリスマス!今年は節電意識も高まって、街のイルミネーションも心なしか静かなような気がします。

そんな中、電気も使わない素敵なツリーを見つけました。

 

小学校の給食室の横にこ~んな立派なツリーが…!!クリスマスを象徴する赤と緑のイメージに、色とりどりな飾り付けがほどこしてあります。

 

近づいてよぉく見ると、これは杉。北山杉。

校長先生が段ボールで鉢の部分を設えておられる時にN子ちゃんの「先生、杉でやろうよ!」という素晴らしい意見にみんなが賛成。

 

幸い枝打ちした後の青々とした杉の枝はたっぷりあります。世界に一つだけの手作りのツリーの飾り付けが始まりました。

 

色々なクリスマスの模様をプリントアウトして塗り絵をしたり、字を書いたり。それはそれは賑やかで楽しい時間だったのではないでしょうか?

 

色を塗った後はラミネートパウチをするので、雨に濡れても大丈夫。カラフルな毛糸でぶら下げます。

 

 

全校生徒合わせて10人。同年代の子ども達大勢と一緒に過ごす集団生活は体験出来ませんが、一人ひとりが先生と目と目を合わせて学ぶ中川小学校の子ども達はとても聡明で可愛らしいです。

こうして小さな楽しみや喜びを体験出来るように提案する先生方は素晴らしい。少人数だからこそ出来る、挑戦出来る。他ではできない事を経験させてくれます。

何より、「杉でやろうよ」と言ってくれた小さな少女の中に中川で暮らし、学んでいる誇りを感じました。

みんなで力を合わせて作った世界に一つだけのクリスマスツリー。

もうすぐソリに乗ったサンタクロースがプレゼントを抱えてやって来るでしょう、このツリーを目印にして。

 

みんなが素敵なサイレント・ナイトを迎えられますように。

そして…先生がたはくれぐれも、呑みすぎないように。^^

たちかけ姿に秘められた乙女ごころ

2011.10.3  日記 

秋の日はつるべ落とし…9月も過ぎ、日の暮れるのが早くなりました。

山々は静かにその姿を保ち、高い空との稜線をくっきりと描いています。

その独特な紅い色に目を惹かれると…ところどころに群れをなして咲く彼岸花は季節の訪れを主張しているかのようです。

 

先日は中川のKさん宅にお伺いしました。

ご高齢にもかかわらず現在も山のお仕事をされているKさん。

昔ながらのお家、玄関の軒先には手作りの杉玉が。お隣には丸太を切ったアレンジメント!

倉庫では出荷への出番を待つ北山丸太たちが並べられています。

 Kさんが心を込めて育てた北山杉。人造絞りや天然出絞(でしぼ)、磨丸太、色々あります。

もっと見ていたいけれど今日のお目当ては…

私たちのリクエストに応えて颯爽と登場して下さった奥さまの出で立ちをご覧下さい。

 

これが中川の伝統的な女性の作業着、「たちかけ」の姿です。もんぺとは違うのが判りますか?

今ではほとんど着ることはなくなりましたが、昔はみんなこのように手拭いで姉さんかぶり、手作りの半纏にたちかけで山仕事を手伝ったり、こむきや丸太を磨いたりの作業をしていたそうです。

 

絣の半纏にたすき、そして「たちかけ」は三幅前掛けという三枚の布地を接いだ巻きスカートのようなものをあわせてはきます。

三幅前掛けには幅広の紐がついていて、明るい柄をもってくるのもチョッとしたおしゃれだそうな。

 

 

横姿と後ろ姿。 

 

時代の流れとともに衣食住は変化してきました。

特に着るものはより機能的になり、今ではほとんどこの姿は歴史紹介や観光対象としてしか見ることは出来ません。

けれども絣という素材は夏は涼しく冬は下に着込めば暖かい。長袖にたちかけは作業に適し虫なども防御できる、これ以上ないくらい快適で機能的なものだったのではないでしょうか。

先人の知恵に感服すると同時に中川の北山丸太は女性たちの支えがあってこそ、という思いがしてきます。

たちかけ姿は消えても、中川の女性が持つ何か根性のすわったような力強さはずっと伝えられている。だからこそ、北山丸太は消えないように。。

引退した今もパリっと糊をかけて大切にしまわれていたKさんのたちかけには、そんな願いが込められているような気がしました。

最後に…

「半纏とたちかけの隙間にちらっと襦袢を見せるんや。見せるから赤いもんとか可愛いもんを着てな。」

Kさんの奥さまは、乙女のように微笑みながら教えてくれたのでした。。

 

細野の魔法使い

2011.9.26  日記 

天高く馬肥ゆる秋…涼しくなると食欲も旺盛になり、これからはサツマイモの収穫に新米。

馬だけでなく人も肥ゆる秋ですね!

お彼岸の連休、皆さんはどのようにお過ごしでしょうか?

お墓参りは勿論のこと、この時期は運動会やお祭りなど秋の行事が目白押しです。

色とりどりの秋桜、ススキ野原。秋明菊の蕾がふくらみ、大人も子どもも楽しい、一年で一番心が洗われるような季節がやってきました。

夜は一気に冷え込むようになって今年の紅葉は早く見られるかも知れません。

 

先日チョット中川の外へ足を伸ばしてみました。

ここ生産組合からR162を京北方面に車を走らせ、笠トンネルを抜けしばらく行くと左手に何やら見えてきました。

木工の工房のようでもあるしお店のようでも…色んなものがゴチャゴチャとあります(失礼^^)

その名も「よろず庵」。

窓に貼り紙がしてあって、「留守の時は隣の工房にいるので声をかけてください」フムフム、一期一会の文字が妙に説得力あります。

 

お隣の工房にお邪魔しました。やっぱりゴチャゴチャ!

色んな材木や小さくカットされたものが見えますね。

 

よろず庵のオーナー、藤原 治さんは北山杉やその他の木材を使って印刷や加工をしておられます。

このような変木や節のある丸太が原材料となります。カットしたり印刷したり様々なものに形を変えると節も模様のように見え愛嬌があるとおっしゃいます。

一般の柱としては使えないものでも藤原さんの手にかかるとまるで魔法のようにたくさんの可愛い木工細工に生まれ変わります。勿論、中川の北山丸太もお嫁に行ってます。

 

これは檜。ちょっとピンク色がかっていて、とてもいい香り。

前から欲しかった、小さなまな板をお買い上げ~~ちなみに¥300!!

他にも薄くスライスした北山杉の名刺や、表彰盾なんかも京都市の依頼があったり京都ならでは!と言う印象がしてとてもいいなぁと思いました。

地道な細かい作業ですし、大きな売り上げが見込める仕事でもありませんが木の温かみと共に、一つひとつに藤原さんの愛情がこもっているような気がして…作品を手にした人は優しい気持ちになれるんじゃないでしょうか。

 

お店の中には可愛いものがいっぱいです♪

丸太をくり抜いて作ったマスコット。くり抜いた中身もきっと何かになってる筈ですよ。

 

来年のカレンダー。藤原さんの得意とするところの印刷技術です。

木目が美しく、数字もにじまずにキレイにのっています。お店に置いたりしても素敵ですね。

まだまだ紹介しきれないくらい、たくさんの木工細工や印刷物があります。

 

「何でもありのよろず庵や」とおっしゃる藤原さん。

その通り、こんなのが欲しいんやけど…とお願いすると設計からして下さいます。

床の間を飾る柱や垂木にはなれなかったけど、小さくなって新しい命を授けられた北山杉たち。

お話してるうちに嬉しくなって、そして「一期一会」を感じたひとときでした。

 

 

よろず庵 

〒801-0262 京都市右京区京北細野町信濃垣内31

電話 0771(52)0476

http://www.yorozuan.com

 

 

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