ブログ 北山杉の里だより

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第38回 北山丸太展示大会を終えて

2012.12.27  お知らせ 

クリスマスが終わると一気に年末ムードです。今年も残すところあとわずか。

時おり伐り出すチェーンソーの音が山にこだまし、搬送するヘリコプターが枯葉を舞い散らせましたが、そろそろ北山杉の里も眠りにつこうとしています。

先週は今年を締めくくる「第38回 京都北山丸太展示大会」が開催されました。

19日水曜日の午前中には展示丸太各賞を授賞された方々の表彰式も行われました。 

 

生産組合の新役員・組合員ともに粛々とご来賓の祝辞に耳を傾けます。

 

見事な丸太を育て上げた生産者に栄えある賞が授けられました。 

 

確か、昨年はご紹介していなかったと思うのですが・・・ 

 

賞状はみやこ杣木(そまぎ)の桧で作られています。珍しいですね! 

  

そして京都北山丸太生産協同組合の前理事長・中田氏には長年にわたる功労に対して、感謝状が贈られました。

 

昼食を終えると、いよいよ今年最後の市・競りによる即売、主催者も気合いを入れていざ!

 

先日伺った摂津の全銘展と比べると規模は小さいですが、北山丸太がズラリと並んだ光景はここでしか見られない格別のものです。

オレンジの帽子が買い方さま。皆さん、お目当ての丸太は同じなのでしょうか。 

 

振り子さんの目は鋭く、買い方さまの手の動き指の動きを見逃しません。あっという間に競り落とされていきます。 

 

当日はあいにくの冷たい雨でしたが、皆さまたくさん着込んでらして静かにアツい闘いが繰り広げられます。 

 

関係者も生産者も、少しでも多くの北山丸太が少しでも高値で買っていただけるよう祈りながら、競りを見守ります。 

 

京都府知事賞・北山人造絞

 

京都市長賞・北山磨丸太 

 

京都市森林組合組合長賞・北山磨丸太

 

京都北山丸太生産協同組合理事長賞・北山天然出絞 

 

全国銘木連合会会長賞・北山人造絞

 

近畿中国森林管理局局長賞・北山出絞面皮

 

2012年を締めくくる展示大会が終了しました。

厳しい状況下にあるとは言え、こうして盛況のうちに終えることが出来まして買い方さまには感謝の気持ちでいっぱいです。

奈良や関東、遠くまで晴れてお嫁に行く丸太たちは、ふるさとを旅立ちどこでどのように使っていただくのでしょう。

日が暮れた後も灯りのともる倉庫の中には、荷造りをする生産者さん達の笑顔がありました。

手塩にかけて育てた自慢の丸太を、最後まで美しく。

長い年月、流した汗は今この瞬間のためにあったのだと。

切れそうに冷たい空気の中、作業する職人さん達が元気なせいか、燃え上がるストーブの炎のせいかわかりませんが何故か北山杉の里は温かさに包まれているような気がしたのでした。

 

全国からやって来た銘木にふれて。

2012.12.14  日記 

すでに先月末のことになりますが、摂津の大阪銘木市場で開催された全国銘木展示大会の最終日に行ってきました。

銘木中の銘木には各賞が授けられ、前日に引き続き即売も行われるので、出展中の北山丸太も一体どれくらいで競り落されるのか興味津々です。

 

午前9時すぎに北山杉の里を出発、道中には「~木材」「~銘木店」とボディに書かれた車と出会い行き先が同じなんだと何故か心躍ります。

大阪銘木市場の大きな看板が見えてきました。到着! 

 

この銘木市場通りの標識がたくさんあがっています。え?この通りも?ここも?

そう、何筋もに渡って奥まで立ち並ぶ木材関係のお店。さすが大阪、規模の大きさが違いますね。 

 

受付の準備も整って、買い方さん用の黄色い帽子が並んでいます。

 

昨年は木の国・岐阜で開催された全銘展。全国から集められた優良銘木が、今年は大阪で見られるとあって入る前からドキドキワクワク❤ 

 

北山丸太の競りが始まるまで時間があったのでぐるりを一周してみました。外にも椪立てしてあります。 

 

この分厚い一枚板! 長尺のものは横に倒してあります。数多く並べられるという利点があります。 

 

一方、縦置きは場所をとりますが、じっくりと木目や状態を見ることが出来ます。 

 

こちらは屋久杉の変木? もの凄く大きくて年代ものなんだろうなと思います。一体、何に使われるのでしょう? 

 

 

 あちらこちらで人が集まり始めました。品定めでしょうか。

 

「浜」という文字をよく目にしました。これは、コーナーと言いいましょうか。「針立浜」は針葉樹の立ててあるコーナー、という感じです。 

 

 

 よく解らないけれど杉の杢板?

 室内に展示してあるものはきっとイイものに違いない、と素人判断です(笑)

 

前もって審査会が行われていましたので、私たちが行った最終日には授賞した銘木に賞名が貼ってありました。

 

各賞は内閣総理大臣賞、農林水産大臣賞、林野庁長官賞などなど。

初めて知ったのですが、各賞は1出展者につき一つと決められているそうです。なので賞を受けた木が受賞していないものより良いかは言い切れません。

例えばある出展者が3つ出展されたとしてその内一つが受賞すると、残りの二つはいくら良いものでも受賞できないからです。 

 

徳島産の唐木。こちらも床柱として使用されるようです。見慣れた京都のものとはまた違った雰囲気です。 

 

さていよいよ、特選展示品と書かれたコーナーで我が北山丸太の競りが始まろうとしています。隣は吉野産の杉です。 

 

振り子さんの田中さん、まだお若いようです。「さぁ~~次はぁ~京都から~北山丸太~~みなさんどうぞ~よろしくお願いしま~す」と声高らかに。 

 

あ! ひと際背が高いと思ったら足下は花魁さんのこっぽり? これで移動するのもなかなかしんどいんじゃないでしょうか。

聞きますと、北山杉の競りでも以前は履いていたそうです。 

 

賑やかな競りの風景です。北山丸太の倉庫でもこんな風にたくさん買い方さんが来て下さったらいいいな!

 

木肌の美しい人造絞。

 

優良丸太にだけ貼られる、ブランドラベル。 やはり全国レベルで見ても、北山丸太は特別でその緻密さや美麗さは垂涎の的だと言うことは集まって来られる人の数を見ればわかります。「特選展示品」のコーナーですから。

 

ビニロンで包んであるので見にくいですが… 

 

林野庁長官賞を受賞した縮緬絞。見事、高値で落札! 

 

静かに競り落とされる独特のやりとりは北山と変わりません。それでも活気が感じられたくさんの黄色い帽子が嬉しく感じたのでした。^^ 

 

 

 会場には細工を施した木工品も即売されていました。

 

 

 「あれを見ておいで!」と言われて近づくと、まぁ何と立派な欅の盤でしょう! 大きさは2丁と言うそうですが。

写真にうまく出来なかったのですが、その右側の小さい方は「玉杢(たまもく)」という珍しい木目が出ています。

どちらも素晴らしい展示品です。

 

こちらは農林水産大臣賞を受賞しています。このままか半分にスライスしてテーブルなどになるそう。一体いくらの値段がついたのでしょう。 

 

木工工芸や家具に使われるトチ。その他、青森のヒバやマツ、ケヤキ、ヒノキの逸品が勢揃いしていました。 

 

天井板の競りが始まっています。こちらも盛況の様子。 

 

和室が少なくなった近年、天井板を見ることもあまりなくなりましたが、この木目の美しさや木から発せられる優しい雰囲気は無くして欲しくないと思います。 

 

最・高・級と金色バックに書かれていると本当に最高級に見えますね~「うづくり仕上げ」と言うのは「浮造り」と書いて、木のやわらかい夏目の部分を削ってより木目を浮きたたせた加工のことだそうです。 

 

・・・という訳で、ここに掲げたのはほんの一部ですけど、まだまだ紹介しきれないほどの多くの銘木が全国から集まって来ていました。

初めての大きな展示大会。初めての大阪銘木市場の雰囲気は京都で言うと中央卸売市場のような佇まいでしたが、それでもシャッターを閉ざした銘木店や会社がちらほらとあり状勢の厳しさを物語っていました。

そんな現状の中でやっと、地球温暖化防止や地産地消が囁かれ始め、森林を大切にしようという動きが活性化してきました。

苦しい時期を乗り越えて、木造建築の良さが改めて見直され森林で働く人も、地元の木材で出来た家に棲む人も、施設を利用する人も笑顔になるいつの日か…全銘展でも「待ってました北山丸太!」と声が上がることを願います。

 

おっとその前に、北山丸太生産協同組合でもいよいよ来週12月17日(月)~19日(水)、第38回京都特産 北山丸太展示大会が開催されます。

現在、展示大会に向けて生産者の方々が自慢の北山丸太を搬入され、椪番貼りの作業中です。

月曜日には優良丸太の審査会が行われ、京都府知事賞・京都市長賞・近畿中国森林管理局長賞・全国銘木連合会会長賞・京都市森林組合組合長賞・京都北山丸太生産協同組合理事長賞の6点が表彰されます。

12月19日(水)午後1時~展示即売

一般公開は12月17日(月)より、19日(水)の午前中まで。

さまざまな美しい北山丸太がおよそ3000点、展示場を埋め尽くします。ご興味のお持ちの方は、是非お越し下さいませ。

 

京都北山丸太生産協同組合

〒601-0125 京都市北区中川川登74

TEL 075-406-2955

URL http://www.kyotokitayamamaruta.com  

 

 

 

 

The making of 「素材の素」.

2012.12.10  北山杉加工品 

日ごとに寒さが増していくようになりました。既に雪の影響で列車や飛行機にも影響が出ています。

朝、バケツに張った氷。少し陽が射してくると樹々を包んだ霜が雫となり、冬の青空には静謐な空気が漂います。

そしてまた水彩画のような白い線、飛行機雲。

旅客機は人々を安全に運ぶだけでなく、より心地よく機内で過ごせるよう様々なサービスが提供されています。 

 

機内誌もその一つ。ANAは毎月「翼の王国」を発行し、持ち帰る方も多いほどその内容は充実しています。

その中で、デザイナーの小泉誠さんが隔月連載しておられるコラム、「素材の素」の取材のため北山杉の里に来られたことは少し前にお伝えしました。

一体、どのような誌面になるのかとても楽しみにしておりましたが、先日「翼の王国」12月号が届きました。

コラムを拝見しながら、取材のあれこれを懐かしく思い起こします。今回は、その時のメイキング写真です! 

 

ここは・・・来られたことのある方なら一目瞭然! 美しく手入れしてある北山杉が一望できます。小泉さんもスタッフの方々も「おぉ~~!!!」

人気のある草もち屋さんの隣です。まずは撮影の前に草もちを購入されましたよ。そして季節がら飛び交っていた赤とんぼにも夢中で、ライターさんの帽子に止まったアキアカネにシャッターチャンス! まだまだ回るところはたくさんありましたが、幼い頃に帰ったようなひと時でした。 

 

次は皮剥きの実演です。手によるものと機械と両方ご覧いただきました。職人の手により見事に剥けていく荒皮の様子、剥けたばかりの木肌のしっとりしていること!じっと見つめておられます。

 

小泉さんも丸太の切れっ端を持って皮剥きに挑戦?楽しそうです。

 

小泉さんが剥きたての立派な杉皮を持ち上げて「重いなぁ!」

状態のいい皮は商品になります。自然のままを生かした色や風合いは日本建築には欠かせない要素でもあった時代がありました。侘び寂びは外から見れば日本人独特の雰囲気のように言われますが、本来モノを大切に使い自然とともに暮らすという考え方から生まれたものかも知れません。

今では時間効率が良いことから高水圧の機械で剥くことが多くなり、細かく砕け散った皮は燃やしてしまいますが、例えば手漉きに混ぜて和紙にしたり消臭剤に使われたり、リサイクル・リユースもされています。 

 

さて誌面を見て最初に驚いたのが、タイトルの大きな文字とともに北山杉の緑ではなく「水」の写真であったこと。

これがその撮影シーンです。先にも書きましたが夏の集中豪雨で菩提の滝へ行く菩提道はところどころ陥落してとても危険な状況でした。

にもかかわらず、小泉さんとスタッフさんは強行突破! 

 

滝を撮影するカメラマンさん。

普段ですと何とか靴のまま向こう側に渡って滝を正面から見ることが出来るのですけど、水かさが増してとても無理。こんなこともあろうかと長靴を履いていたので、お貸ししました。お役に立てて幸いです。(笑) 

 

もう水が冷たく感じられる筈なのに皆さん裸足になって菩提の砂を集めて撮影をされました。

ここに時間をかけたのも、小泉さんの「菩提の砂」への想いが強烈だったことが今なら理解できます。

これまで様々な取材を受けましたが、大抵は杉木立や大きく聳える台杉などの写真が前面に出されています。

けれど「素材の素」の一面は繊細な表情の砂と、そこにたゆとう流れる水でした。

この世に生きるものの源、水。そしてその水が菩提の赤砂(あかご)を運んできている。伝説の旅の僧が言った「あの滝壷に沈む砂で丸太を磨いてごらんなさい。」

北山杉が北山丸太としての命を与えられたそのルーツは水にあったと、小泉さんは菩提の砂の中に「素材の素」を見出されたのではないでしょうか。 

 

たくさんの箸状あて材が巻いてある、人造絞も撮影されました。 

 

ちょっとピンボケですが(^^ゞ、小泉さんのカメラにはきっと素晴らしく写っていることでしょう。 

 

失われてはいけない伝統がここに守られています。どこまでも続く台杉とまだ固いススキの穂。 

 

こちらはナーサリー。私は幼稚園などとも呼んでいますが、植林の時を待つ若い杉たちが鹿や猪などの動物から守られています。 

 

掲載された写真は、やはり「流石だなぁ」と感動する美しさ。砂の一粒ひとつぶが手に取るようだし、幼い杉たちの緑はちゃんと幼さが残っているのを捉えています。 

 

聴こえてくるのは鳥の囀りと虫の音だけ。しばし時を忘れて苗床を前に語らう皆さんの姿がありました。 

 

そして撮影の最後は小泉さんデザインの「イマトコ」シリーズが展示してあるモデルハウスです。

イマトコは言わば小泉さんの子どものようなもの。

ソファやテーブルの一部に使ってある北山丸太のふるさとを一日回って来られて、感慨深さもひとしおなのでは。 

 

小泉さん自らテーブルをヨイショと持ち上げての撮影。絞り丸太を使った脚が空に舞っています。 

 

優しい手触りのソファーの肘掛撮影に手タレさん登場!生産組合の前専務(現在は理事長)も何とレフを持って撮影に協力しました。 

 

 

長かった取材が終わりを告げる頃・・・小泉さんやライターさんの心にはどんな想いが慕っていたのでしょうか。

時代とともに暮らしが変わり、それと共に着るもの、使うものがどんどんカタチを変えて行きます。

「伝統」と一言で言ってしまえば、もの凄く良いもので一生変わらないような印象を受けますが、実際はどうでしょう。

使う人がいなければ繋ぐことも難しくなり、過去の栄光であり高価な飾り物としか扱われないかも知れません。

だから、人は続けようとします。二部式の着物?そんなの着物じゃない、丸太が家具の一部?丸太は真っ直ぐ長いまま、柱に使ってこそ北山丸太なんや!

そのご意見もごもっとも。

けれど、カタチを変えてもその姿が見る人の目に映り、手に触れる限り少なくとも伝統は受け継がれ、素材のふるさとは生き続ける。

そのことが小泉さんの創るモノの源となっているのです。

今回、取材に同行させて頂いて私たちが見慣れている北山杉や北山丸太をまた違った視点で考えられるようにもなりました。

「翼の王国」をたくさんの方が手に取って、「素材の素」のページがその目に触れる時・・・生き続ける北山丸太のふるさとと小泉さんのアツい気持ちが伝わればいいなぁ・・・冬の空にキラリ、駆けてゆく飛行機を見上げながら思うのでした。(了)

 

 

 

 

こんな家に住んでみたいな! 平成の京町家展示場 KYOMO

2012.12.3  北山丸太・みやこ杣木 使用事例 

平成の京町家モデル住宅展示場「KYOMO」が11月3日、オープンしました。

平成の京町家とは省エネや近代化が飛躍的に進んでいくこの時代、歴史都市・京都において長い年月をかけて培われてきた町家の伝統的な知恵を継承しつつ、現代の技術とが融合した家のこと。四季のうつろいや自然の力を大切にした住まいと、豊かな住まい方を提案するものです。

 

場所は河原町塩小路北西角。アクセスも良く、一目でわかります。

 

「KYOMO(きょうも)」という名称は公募で、「京都モダン(新しい京町家)」と「京もの(京都のもの)」、「今日も明日も(現代と未来をつなぐ)」というイメージを連想させ,言葉の響きがとても美しいということから選ばれました。

親しみやすくて呼びやすくてバッチリなネーミングだと思います。

 

この展示場の中で、京都市域産材をご紹介したのは100年住宅のゼロ・ホーム。

檜の床材を使っていただき、仕上がりの様子に興味津々!オープン前日、内覧会に行ってきました。 

 

ゼロホームが100年住宅と言うゆえんは、木造住宅を正しく施工し、品質が確保され、定期的な管理をしていたなら軸組みは100~200年持ちますが、大切な住まいを長い間、高いレベルで品質を維持するために、30~50年に一度取り替える必要のある壁や屋根、サッシ、配管の取り替えが容易にできる構造にて施工しているという点です。ゼロホームの100年住宅は、建売住宅も注文住宅も長期優良住宅の認定を受けています。

 

それでは早速、おじゃましま~す。

玄関ドアまでは屋根のあるポーチになっているので雨に濡れることもありません。

 

靴箱の上がフリーになっていて、一見お店のディスプレイのよう。

 

京都市産材供給協会のプレートと、みやこ杣木の認定証が鎮座しています(笑) 

 

ゼロホームの平成の京町家モデルハウスへのこだわりは、「風・光・庭」。

庭が三か所も配置してあって風が通り抜けます。吹き抜けの天井からは光が。こんなに現代的でありながら玄関から見通せる庭は、町家の「うなぎの寝床」を少し、思い起こさせます。 

 

靴をぬいで、ゆっくりした段差を上がれば目の前に広がるキッチン。

 

たっぷりと外光や風を感じながらダイニングテーブルを見渡せるアイランド型。シンクにはおしゃれなグース・ネックの水栓です。 

 

特に感じたのが採光。照明もいらないくらい明るく、大きな窓を開けると風が通って気持ちいいだろうなぁと思います。

そして窓の目隠しは縦格子で、京都らしい和風な感じもします。 

 

奥に見えていたのが洗面所・バス・トイレ。 

 

最近は洗面ボウルを上に置くのも流行っていますが、こちらは埋め込み式のアンダーボウル。スッキリとしたデザインです。 

 

仕切りの向こうにトイレ。個室ではないので完全バリアフリー、無駄を省いたシンプルな設計だと思います。勿論、換気も万全。 

 

透明ドアがチョット恥ずかしいかも?なバスルームです。明るくて広い! 

 

床はタイルではなくて、ウレタン素材のようなフッ素コーティングのような。。あたりが軟らかく、撥水性が優れているものです。 

 

中庭はウッドデッキ風。玄関から直通で抜けられるドアがあります。ここを解放すると風がす~っと通り抜けて夏も快適でしょう。

近代的でありながらも細かなところに昔の智恵が取り入れられています。 

 

入って左手の和室。平成の京町家ですから、やはり和室がなくてはですね。こちらは客間としても使える、趣きのあるつくりです。 

 

丸窓は何か料亭の一室のよう。しいて言えば・・・小さくてもいいから床の間があったらもっと素敵かも(笑)

 

リビングはたくさんの関係者で賑わっていました。設計担当の女性も大忙しです。 

 

それでは二階へ行ってみましょう。全体的に白を基調とした清潔な明るいイメージの中、手すりや窓枠の黒がきいています。

  

階段の途中にもこんな窓があります。寝室を壁で閉鎖しないでこの窓を開けておくとここからも風が通ります。

デザインは古都をイメージしたようなレトロ感。 

  

上からリビングを見下ろしてみました。吹き抜けになっているので高く、より広々とした空間づくりが実現しています。 

  

二階のフロアです。現在は様々な展示物がありますが、どのような間仕切りも可能。家を建てる時、出来るだけ大きな区切りにしておくのがベターだと聞いたことがあります。

狭く区切った部屋は壁を壊して広くするのが大変です。例えば子ども部屋を作ったり、書斎を作ったりなど広いフロアを区切るのは自在だからです。

 

収納やちょっとした遊び場に楽しい、ロフトもあります。天窓からの光が部屋全体を明るくしています。 

 

さて寝室へ・・・いよいよ京都市産材の登場です。檜特有の、少しピンクがかった色はとても優しく木目が美しく、手触りもすべすべ。 

今回は節のないものが準備されたようで、よりクリアに極上な雰囲気が味わえます。

 

寝室ですので、窓の格子が採光をやわらかくしています。 

 

先ほど、階段の途中で見えたまどは内側から見るとこんな感じ。 

 

その窓から顔を出してみると・・・リビングやキッチンの様子が感じられます。いつも、どこにいても風とコミュニケーションが流れる住まいです。 

 

壁一面のクローゼットで収納は十分。

 

フロアからベランダに出てみましょう。 

 

広いベランダからは京都の景色が一望できました。

これならお洗濯ものはたっぷり干せますし、子ども達の良い遊び場になりそうです。 

 

ベランダからは中庭のウッドデッキが 見下ろせます。「ただいま~っ」「は~い、お帰りなさ~い」なんて声が聞こえてきそう。

 

KYOMOのモデルハウスの中でも、ゼロホームは施工例や建材を詳しく展示していました。

 

 

 

実際に見ることで、どんな木材をどのように施工しているか知ることが出来ます。 

 

勿論、「みやこ杣木」の宣伝も! 

 

いかがでしたでしょうか? モデルハウスですから、見るもの全てが素敵でいいなぁ!と思いますが、この「平成の京町家」のモデルハウスそれぞれが確かなコンセプトを持っていました。

デザインが違っても、自然の力を借り、自然と共に人々が暮らしていた昔の町家の智恵を取り入れた家。現代人が忘れがちなものを住まうことで思い出させてくれるような家。それが平成の京町家なのかも知れません。

そこに京都市産材「みやこ杣木」が使われることで、住まうことが京都の森や林業に携わる人たちを豊かにするなんて、何て素敵なことでしょう。 

 

こちらは京都建築専門学校の建築家「卒業制作木工コース」の学生さんが建築している伝統型モデルハウスです。 

 

 

    

先月には大勢の方が参加しての荒壁塗り体験イベントが行われました。来春完成予定、とても楽しみですね! 

 

今回はゼロホームの内部をご紹介しましたが、この他二つの住宅会社のモデルハウスが展示されています。

それぞれの思いを込めた、平成の京町家。モデルハウス展示場KYOMOへ一度足をお運びになってはいかがでしょうか?

 

 

 

北山杉の里の永遠と豊作を願って。

2012.11.21  北山杉加工品 

日の暮れるのがめっきり早くなり、気がつけば11月も後半。

街中は寺社のライトアップなど、美しい紅葉を求めてたくさんの観光客で賑わっています。高雄では神護寺や高山寺を訪れる人が行き交い、とびきりの一枚をカメラに収めようと三脚を立てる姿が見られます。北山杉の里も、遠くを望めば赤や黄色の葉が山々を彩り、冬の足音が聞こえる前にパッと燃えるような季節を迎えています。

 

先週、まだ息が白く見える朝。北山杉の里総合センターの前では、たくさんの杉の枝葉を前に作業をする女性たちの姿がありました。

一体、何をしているのでしょう?

 

青々とした若い杉の枝葉を小さくまとめて揃えています。杉の葉はチクチクするので軍手をはめての作業です。

 

それを編んだ輪っかに差し込んでいきます。

 

輪のぐるりに、たくさん枝葉を入れていくと・・・だんだん形になってきました。

 

輪は藤の蔓を編んだものです。採集してきて一度水に浸し、乾燥させます。蔓とは言え、成長して固くなっているので曲げながら輪にするのは結構な力が必要です。そして枝葉を差込やすいように編み方にも工夫がいるようです。

 

さぁ、出来上がってきました。もう何かお判りでしょう?これは杉のクリスマス・リースなんです。

 

京都北山杉の里総合センターの設立当初からお世話になっている先生のご好意で、この時期、北山杉の里のシンボルとなるリースをいくつも作って下さるのです。

クリスマス・リースChristmas wreath。リースとは花や草で編んだ輪、冠などという意味です。オリンンピックで使われる月桂樹の葉で編んだ冠はローレル・リースと言います。

輪の意味は「永遠」「新年の幸福を祈る飾り」。キリスト教では「永遠の神の愛」を表すそうです。そして、殺菌力・抗菌作用のある常緑樹の葉で編んだものを玄関に飾って魔除け、豊作を願ったものと言われています。

日本では門松とかしめ縄の意味と似ていますね。

 

テーブルの上ににはベルやリボン、たくさんの飾りつけ用アイテムが並べてあります。

 

クリスマス・リースのイメージは緑・赤・金色。そしてポインセチアの白い花などもよく飾りに使われています。

これらにはちゃんと意味がありました。

 

キリストの血を表す赤。生命力を表す常緑樹の緑。純潔の白。

ヨーロッパではこの三つを組み合わせて作るのが伝統的だそうです。

 

伝統的に用いられる常緑樹は柊(ひいらぎ)で、これはイエス・キリストが被った茨の冠、「受難」を意味しています。

そして赤い実はキリストの流した血。信仰と伝統を重んじて、柊だけのリースを飾る家庭もあるようですが、先ほどの豊作を願ってという点で姫りんごの実や松ぼっくりなどをつけて賑やかに楽しい飾りにするのが主流と言えるでしょう。

 

杉の枝葉のリースが次々に出来上がってきました。

こちらは赤色を入れない、シックな色合い。イエス・キリストの受難には詳しくなくても消臭作用があって、何となく魔除けっぽいチクチクした葉で、北山杉の里オリジナルのリース。繊細な杉の葉をたっぷりと使っているのでむっくりと存在感があります。

 

さて、ディスプレイは男性のお仕事です。こちらはお任せ、枝打ちのプロフェッショナルが梯子で天井近くまでスイスイ。

 

北山杉の里総合センターの展示ホールに飾るリースは特大サイズ。人と比べると、その大きさをお判りいただけると思います。

 

「もうちょっと右!」「ちゃうちゃう、下にくるように合わせて!」

女性たちの声に、大きなリースを抱えて枝打ちプロもたじたじ(^^ゞ

 

展示ホールの小物たちのそばにも一つ。壁にかけるのもいいですけど、こうしてサイドテーブルに置くのもまた素敵です。

 

たくさん松ぼっくりをつけて収穫を願いましょう。

 

次はテラスです。軒があるので掛けにくいこと。男性陣の苦労をよそ目に、リースづくりスタッフはティータイム。

 

先生とスタッフはディスプレイのチェックです。どこに飾れば訪れた人たちの目に入るかしら、この色合いのはこっちがいいのじゃないかしら。先生はその道のプロ。丸太とのコントラストも鮮やかに、素敵なリースが映えるポイントを知り尽くしておられます。 

 

テラスのリースは伝統的な色合いで一際、目を惹くことでしょう。国道162号線を走りながら、「あれ、何かしら?」

どうぞ、いらっしゃいませ。ただしわき見運転にはご注意くださいね。 

  

センター入り口のリースはまん丸じゃなくて少しアレンジした形です。 

 

こういったデザインも先生ならでは。北山杉の里だからこそ出来ることを見出してくれた先生に感謝します。

特別な意味がなくても、心に少しだけゆとりを持って暮らしの中に自分たちのふるさとの象徴を飾ることは、とても素敵だと思いませんか?

住んでいるところや宗教が違っても、ずっと無事に過ごせることや豊作を願う気持ちは同じ。

私たちは杉の葉リースにそんな気持ちをこめて、北山丸太の永遠を祈ります。

 

センター玄関前には粉雪をかぶったような感じのリース。

日本ではクリスマスが終わったら飾りつけを取ってしまって、さ~お正月の準備!となりますが、イギリスでは1月5日の夜までおかれます。

これはTwelfth night クリスマスから12夜まで。ですから年を越して祈りをこめて飾られるんですね。

ところで。杉の葉は霧吹きで湿らせてあげるとより長持ちしますので、杉の葉リースも年を越すことが出来ます。

クリスマス用の飾りを外して、南天や羽子板、小さな吊るし雛のような人形などを付けるとお正月リースに早代わり!

消臭効果もありつつ、長く楽しめるのがいいですね。

 

夕暮れが迫り、室内に灯りがともる頃・・・先生と私たちは考えました。

北山杉の里オリジナルリースは素敵。材料はある。場所もある。先生もいる!センターで一日教室が出来ないかな!

・・・というわけで10名さま定員でリースづくり教室を開催することに致しました。

大きさは作りやすいサイズで飾りなどの材料は全てご用意しますので、カラダ一つで来てもらったら大丈夫です。

皆さんが作られたリース一つひとつの輪が広がって、ここからたくさんの方に杉の香りをお届けできたらいいなと思います。

そして初めての企画が成功すれば、恒例教室として毎年の楽しみになったら・・・永遠への第一歩を踏み出すことが出来ると思うのです。

詳しいお申し込み方法などはフェイスブックページ「京都北山丸太生産協同組合」にて告知しています。

お電話でお気軽にお問い合わせ下さい。ご参加をお待ち申し上げております。

 

お問い合わせ:京都北山杉の里総合センター TEL(075)406-2212

 

 

 

京都北山杉の里総合センター(3)

2012.11.13  北山丸太・みやこ杣木 使用事例 

朝晩は10℃を切る日も多くなりました。あと5分・・・あと5分・・・そろそろ、お布団から出るのも億劫です(^_^;)

皆さんはどんな暖房器具をお使いでしょうか?炬燵、ファンンヒーター、石油ストーブ、オイルヒーター・・・

北山杉の里総合センターの大会議室には、ここならではのストーブがありますよ!

それではセンターご紹介の最終回。 

 

前回は立礼式のお茶会も出来る、和室テイストの小会議室をご紹介しましたが、今回は大会議室です。

入って左手の奥。右手にテラスを見ながらお入り下さい。 

 

扉を開けると広がる空間。こちらは40名~50名でお使いいただくことが可能です。

 

入り口は引き戸で勿論、バリアフリー。車椅子でもゆうゆうとお入りいただけます。

そしてハンドルは手に優しいタルキを仕様しています。 

 

入ってすぐの右手には手作りの椅子なども展示しています。

そして四角いものは・・・「ペレットストーブ」です。ペレットは間伐材などを小さく圧縮して乾燥させた、地球にやさしい燃料です。

京北の森の力京都(株)で購入しています。 

ペレットストーブはとても暖かく、燃焼口にペレットが落ちるコロンコロンという音も可愛らしいし、オレンジ色の炎を見つめているといつまでも飽きません。

中にはグリルが付いているものもあり、ちょっとした調理も出来ます。お値段も張りますけどいつも欲しいなぁ~と思っています。

・・・という訳で、冷暖房も完備。

 

ふんだんに京都の木を使用しているのをご覧いただけるように、天井を貼っていません。高い天井は開放感に溢れ明るいイメージです。 

 

床にも京都の杉板を使用しています。ふしのあるもの、ないもの。赤身のもの。杉の持つ、さまざまな表情が楽しめます。

 

大会議室では国際機構や大学、高校、市府民団体などさまざまな分野の方々が研修を受けられています。

その他、私たちも参加するワークショップや総会、表彰式などにも使用しています。

見学・研修の方々にはこちらでDVDを観ていただいてから、詳しい説明や質疑応答があり、知識を持った上で実際に丸太や台杉、季節によっては枝打ちの実演などをご覧いただきます。

DVDは正面に大きなスクリーンを設置してプロジェクターで投影いたします。 

 

「京都の木」のサンプル。 

 

丸太のサンプルや、絞巻きに使う箸状当て材の今昔なども置いてあります。 

 

大会議室は、大きな施工例として実際に木の呼吸を感じながら北山杉・北山丸太を学ぶことが出来る部屋です。 

 

こちらは面皮柱のような風合いを生かした「洛北」という商品。木目が美しく、両サイドの絞りがやさしい印象です。

ここでは壁一面に繋いでいますが、腰板としてご家庭や区役所、学校などでも使われています。 

 

こちらにも、最初にご紹介しました沢井輝子さんの写真をパネルにしたものを展示しています。 

人々の暮らしや仕事、職人さんの伝統の技。

沢井さんが残して下さった中川の歴史は、見る者に懐かしさを呼び起こし、また感嘆させ、そして決して途絶えさせてはいけないと喝を入れてくれるのです。

 

いかがでしたでしょうか? 京都北山杉の里総合センターを大きく3回に分けてご紹介してきました。木の香りに包まれた、居心地のいい場所だとお分かりいただけたでしょうか。

北山杉・北山丸太の見学・研修は勿論のこと、夏休みの自由研究や小さな工作づくりなど、さまざまな年齢の方々にさまざまな用途でどんどんご利用いただけたらと思います。 

 

京都北山杉の里総合センター ご利用案内は以下の通りです。

■ご利用料金(消費税込)

施設区分           午前9時~12時     午後13時~17時       夜間18時~22時

大会議室(交流活動室)      4000円       4000円        4000円

小会議室(新商品開発活動室)    3000円       3000円        3000円

全館(大会議室・小会議室)     6000円       6000円        6000円

 

詳細につきましては、お気軽にお問合せ下さい。

開館時間:午前9時~午後5時まで

休館日 不定休

所在地 京都市北区中川川登74

研修・見学のお申込みはお電話で受け付けています。10名さま以上での体験の場合、ご利用の3ケ月前からご予約を受け付けています。 

ご利用申し込み・お問い合わせ 京都北山杉の里総合センター

TEL(075)406-2212

FAX(075)406-2823

 

ご来場を心よりお待ち申し上げております!

 

京都北山杉の里総合センター(2)

2012.11.6  北山丸太・みやこ杣木 使用事例 

高雄の紅葉もそろそろ色づき始めました。真っ赤な紅葉もいいですけど、緑と黄色と赤色が混ざり合った感じも爽やかな美しさです。

さて京都北山杉の里総合センターのご紹介、第2弾は小会議室です。 

 

前回の展示ホール、テレビの置いてある側に通路があり右側はお手洗いです。

とても明るいでしょう? 

 

天窓から自然の光を取り入れています。すりガラスでも夏場はさんさんと光が射しこみます。

逆に、お天気の良くない日は少々暗くなります。1日の時間の移り変わりが自然に感じ取れる、そんな通路です。 

 

左側の引き戸、両側に入り口がありますが、ここが小会議室です。

無垢板を合わせた大きなテーブル。10人程度の会議に最適です。そして、床の間もありますので立礼式のお茶会も出来ます。

 

立礼式のお茶室なので、和室の床の間とは違って高い位置です。 秋明菊など、季節の花が咲いたら生けたりもします。

掛け軸の意味は…わかりませんf(^^;)

 

床板は松材。そして、床柱はセンターを入ったところ左手に展示してありましたチェインジャブル、取り替え可能です。 

 

釘などは一切使わない取り替え方式、力持ちの方ならご自分でも出来るかも?

季節によって、お客様によって床柱を着替えるなんて贅沢で粋な試みですね。 

 

落し掛けは杉のなぐり。もともと、桐や桑などの銘木が使われますが、欄間のように派手な飾りものではなくて、あまり見えないところに特別な技が潜んでいるところが奥ゆかしく、「こんなところにも」とよけいに心をくすぐられます。長襦袢や羽織の裏地など、ちらりと見えた時の素敵は日本人独特のものかも知れませんね。 

 

丸太を使った照明がディスプレイしてあります。ほんのりとした灯りが年輪を際立たせ幽玄の世界へと誘います。

外国の方は興味を示されることが多く、その質問は「How much?」(笑) 

 

外光で明るい室内。障子を閉めれば完全な和の空間です。 

 

柱は面皮柱を使用しています。磨丸太を面皮加工する場合、樹齢の経った木の方が木目が美しく、手入れを怠った杉は後で節あとが出たりすることもあるそうです。職人さんの見極めも大事な作業になってきます。

 

それにしても、一体誰がこのような加工を思いついたのでしょうね。襖をしめる時、ふと手が触れた時に感じる木肌の磨きの部分。

シンプルに見せる、それが最も素材の美しさを表現しているのですから。

 

まだここでのお茶会は見たことがありません。ぜひお揃いで、着物をお召しになって和のひとときを過ごされてはいかがでしょうか。

 

天井にはたくさんのタルキ(小丸太)が。照明カバーと言うにはあまりにも贅沢なので意匠とでも申しましょうか。

数寄屋づくりを意識していますが、見た目に美しく、蛍光灯の光をやわらかくして部屋全体を落ち着いた雰囲気にしています。

 

数寄屋の語源の「数寄(数奇)」とは和歌や茶の湯、生け花などの風流を好むことであり、「数寄屋」は「好みに任せて作った家」という意味。

この小会議室もある意味「数寄屋」・・・現代の生活に風流を取り入れ、和の文化を忘れないでいよう、この部屋にいたら落ち着く、そんな思いのこもったひと部屋なのです。

 

天井に使ってあるのはこの和紙。荒皮むきが機械化されてるようになってから、高圧洗浄機で皮を吹き飛ばすため、細かくなった皮が大量に出ます。

それをリ・ユースしようという試み。

京都工芸繊維大学の木村照夫教授との共同研究で開発され、和紙で有名な黒谷の職人さんによる、手漉きの和紙です。

色は白っぽいものと茶色の2色あり、それぞれの風合いが楽しめます。

 

床の間の地袋にもこの、手漉き和紙が張ってあります。 表面に杉皮の繊維がふつふつと見えるのもイイ感じ。

小物の商品撮影をする時にバック紙の代わりにしたり、結構使わせてもらっています。(笑)

この北山杉を漉き込んだ手漉きの和紙は、北山杉の里総合センターで販売しています。(サイズ600㎜×900㎜

1枚2,100円)

 

失礼して床の間の上から撮影してみました。

他にもテーブルや照明など、和テイストのものを置いてますので少々ごちゃごちゃしていますが、見学の方は見るだけでなく触ってみたり座ってみたり楽しんでいただけたらと思います。

そして都会の喧騒から少し離れたところでの打ち合わせや会議もいいものではないでしょうか。 

 

いよいよ次回は最終回。大会議室の中、そしてご利用料金などをご紹介いたします。お楽しみに!

それまで待ちきれない方はこちらまでお問い合わせくださいませ。

京都北山杉の里総合センター   TEL 075-406-2212

 

  

京都北山杉の里総合センター(1)

2012.11.1  北山丸太・みやこ杣木 使用事例 

お久しぶりです。「Trick or treat?」と呟きながらお菓子を食べているうちに11月になりました。今年も残すところ2ヶ月。え~っ! もう2ヶ月?月日の過ぎるのは本当に早いですね。

朝晩は冷え込んで、当組合の事務所もすでにストーブを焚いています。今月半ばには素晴らしい紅葉がみられるのではないでしょうか?

このブログでもよく登場します、北山杉の里総合センター。先日も現地講義で大学生の方々が見えましたとフェイスブックでご紹介しましたが一体、何をする、どんな所なのか。何回かに分けてお送りしようと思います。

遠くの方は「ふぅん、こんな所なのか。。」とか、比較的近くの方は「こんな風に使えるんだ、行ってみようかな。」とか思っていただけたら幸いです。

 

場所は京都市北区中川川登。国道162号線を京北・美山へ向かってひたすら走ります。

市内からは車で40~50分、紅葉が美しい高雄からはおよそ10分ほどでしょうか。

中川の町並みを眺めながらも良し(トンネルが出来るまではこちらの道しかなかった歴史街道ですf^^;)、長いトンネルを通ってさっさと走るも良し、しばらく行くとゆるいカーブを曲がったら緑色の大きな看板が見えてきます。 

 

道路からは建物に「ようこそ北山杉の里へ」とウエルカム・ボードが。あっ、でもこれが見えたら行きすぎですからね。 

 

全景はこんな感じです。北山杉の山をバックに、いいところでしょう? 

 

JRバスも運行していますよ。「北山生協前」で下車して下さい。生協前と言っても、「CO-OPの建物があるのかな。」とか期待しないで下さい(笑)。実は北山丸太生産協同組合前の略なんです。そして、本数もあまりないのでお帰りの際の時刻をしっかり見てからお過ごし下さいますように。

 

この大きな看板を目印にウィンカーを出して入って来て下さい。逆方向から来られる方は少し見通しが悪いので、ご注意を。 

 

緩やかな下りで入ってくると、そこには駐車場が広がっています。マイカーも観光バスもよ・ゆ~のスペースです。

奥に見えるのが丸太を保管したり、市が行われる倉庫。シャッターの塗装を新調したばかりなので鮮やかなグリーンが目に飛び込んできますよ。 

 

右手に建物が並びます。看板にありましたように、京都市森林組合北山支所、京都北山丸太生産協同組合、京都市域産材供給協会の管理・活動の場です。一番奥の少し背の高い建物は丸太の乾燥室になっています。 

 

こちらが総合センターの入り口です。入って来られる時から木の温もりを、北山杉の香りを感じていただけます。

外から行けるバリアフリーのお手洗いもございます。 

 

大きな北山杉の輪切りが表札です。この玄関(?)の前で記念撮影をされる団体さまも多いようです。 

 

引き戸の扉を両側に開けると・・・中はこんな風になっています。右側にはタッチパネル式デジタルサイネージ。

見学・研修、体験学習はお一人様から団体数十名さままで、いくつかのコースがありますが、このタッチパネルだけでも北山丸太の歴史や育成から製品になるまでの流れを見ることが出来ます。 

 

左側には色いろな種類の北山丸太が展示されています。代表的な磨丸太・絞丸太、他にもちょっと変わった木などを実際に触れて味わっていただけます。 

 

展示丸太の下には「菩提の滝砂」が敷き詰められています。現在は機械で磨き作業の部分まで出来ますが、以前は菩提の滝で掬ってきた磨き砂で女性が一生懸命磨いていました。磨丸太のルーツとも言える砂を実際に手にとって指の先で擦ってみて下さい。手がツルツルになりますよ! 

 

中は北山杉をふんだんに使用した展示スペース。ゆったりくつろげる空間で、見学の合間に美味しいオーガニックコーヒーはいかがでしょうか。

喫茶はお休みの日がありますので、ご予約される場合に確認して頂いた方がよろしいかと思います。

 

高い天井を見上げれば、照明と外光がやわらかな光を小丸太に映し出しています。 

 

少人数でしたら、一つひとつ丁寧に作られた椅子に腰掛けて、こちらでDVDをご覧下さい。 

 

クラフトの展示、販売も行っています。お手頃な価格のものもありますので、お土産にはピッタリ。

そして、写真の展示もしています。昭和51年から57年にかけて、ここ中川で北山杉とそこに生きる人々を撮り続けた写真家・沢井 輝子さんの作品です。とても悲しいことですが2011年にご逝去されまして、夫君が北山杉の里の記録に、そして訪れる人々に北山丸太の歴史を見てもらいたいと膨大な枚数の写真を寄贈して下さったのです。

モノクロの一枚一枚は、沢井さんがファインダーごしに見つめ続けてきた、北山丸太と人々との暮らしを物言わず語りかけてくるようです。

 

ひとたびテラスに出てみれば、せせらぎを聞きながら爽やかな空気を胸いっぱいに。

夏は風が心地よく、冬は寒いですけれど雪景色も絶品。ここでも木造建築の美しさをじっくりと見ることが出来ます。

 

北山丸太づくしの空間はいかがだったでしょうか?

広いスペースで木の香りを満喫しながらゆったりと過ごしていただけます。研修のように堅苦しくなく、でも見るもの全てに納得できる、そんな北山杉の里総合センターの展示コーナーなのです。

さて、次回は海外からのお客様にも是非、見ていただきたいお部屋をご紹介します。どうぞお楽しみに!

 

 お問い合わせ先  

京都北山杉の里総合センター   TEL 075-406-2212

 

 

 

北山秋季磨丸太祭

2012.10.22  イベント 

週末の帰り道は杉阪トンネルの温度計が11℃と表示されていてビックリ。冬が駆け足でやってきそうな勢いです。

フェイスブックにも北山杉の里近辺で見つけた植物や昆虫の写真を投稿していますが、生き物は未来に種を残して冬篭りの準備をし始めたようです。

フェイスブックページは「Facebook 京都北山丸太生産協同組合」で検索していただくと、登録していない方でも閲覧することが出来ますので、一度のぞいてみて下さいね。

 

先週の水曜日、今季初めての売立て市「北山秋季磨丸太祭」を開催いたしました。

当日はあいにくの空模様で、午前中には雨が降り出し白いもやに包まれた山々。にもかかわらず生産組合にはいつもと違ってたくさんのご来場者が駐車されています。 

 

会場となる倉庫では、美しく磨き上げられた丸太たちがその時を待っています。 

 

総出品本数は1,898本、椪(はい)数は663椪です。新木の磨丸太も含まれています。 

 

午後1時。当組合の新理事長・森下が開会の挨拶を述べ、少し緊張した雰囲気だった倉庫にはじわじわと活気が湧いてきました。 

 

磨丸太の列です。一般の柱は3m、背の高いのは4メートルです。

「さぁ~〇万から・・・」振り子さんの声が響き渡ります。緑の帽子は主催者側の人間。 間違いのないように入念にチェックしながら記録していきます。

  

買い方さんはこのような手板(下見表)を持って参加します。

目星をつけた丸太にチェックを入れたり、独特の符丁で落札価格を記入したりするものです。 

 

オレンジの帽子が買い方さんです。手を挙げたり、指を出したり。それぞれの帽子には決まった番号がつけられていて、振り子さんは一瞬のやりとりをキャッチして落札された方の番号を大きく読み上げます。 

 

出品者さん方も市の様子を見つめています。手塩にかけて育てた子どもが少しでも高い値をつけてお嫁に行ってくれたらと。

およそ2時間あまりで北山秋季磨丸太祭は終了しました。

野外で行われる大きな原木市とは違って、ひっそりとやりとりされるのもまた、北山丸太の特徴です。

問屋さん、銘木店さんなどの買い方さんが、北山杉・北山丸太のブランドを求めて下さるからこそ、生産者は良いものを創り続けます。

その昔は1本の丸太に対して価格がドンドン競り上がっていったことでしょう。現在は高値に競り上がることは減り、以前と比べるとさみしい相場です。

けれど今なお、職人さんの手によって慈しみ育てられた丸太の品質は何も変わっていません。

だからこそ、このブランドの「値打ち」を下げてはいけないし、生産者たちはプライドを持って市に臨みます。

お嫁に行った丸太が本当に良い、と感じてもらえた時・・・継続して来て下さる買い方さんによって伝統は守られていると思うのです。

 

来月もたくさんのご来場をお待ちしています。素晴らしい丸太が、よい値で落札される事を祈って。

  

春日神社・鳥居の棟上げ

2012.10.12  日記 

だんだんと朝夕の寒暖差も大きくなり、今年は美しい紅葉が期待できそうです。

シーズンになると名所と言われる観光スポットは大変混雑しますが、身近なところにも四季の移ろいを感じられる景色があるはずです。

普段ここを通られる方は・・・もうすぐ、きっと「おおお!」と思われるに違いないでしょう。

 

前回、お伝えしました京北・上黒田の春日神社。45年ぶりに鳥居が新築され、先週の木曜日に組み立てられました。 

 

午後から見学させて頂いたのですが、この日は朝から作業をされていて各部はすっぽりとおくるみに包まれてデビュー間近!という感じです。 

 

裏には、前の鳥居さんが分解されてお行儀よく並んでいました。

 

 

やはり、かなり朽ちていますね。45年間、ご苦労さまでした。 

 

 【資料画像】

ここで鳥居の各部の名称をご紹介しましょう。

鳥居にはいくつかの決まったスタイルがありますが、春日神社は一番上の木、「笠木(かさぎ)」の両端が反っている「明神鳥居」です。

二本の柱に閂のように「貫(ぬき)」を通し、楔(くさび)で止めます。その上に島木(しまぎ)。

貫と島木の間の中央に~天満宮とか書いてある「額束(がくづか)」が中央に入ります。そして天辺に乗るのが笠木。

 

現場に到着した時は、まさに笠木を乗せるべく高い高いところまで足場を組んでおられる最中でした。

 

土台の部分です。この大きな杉の柱は8mでしたが、地上6m、地中には2mも沈められています。

セメントなどは使用せずに土のみ。中に砂利を敷き詰めて、水はけを良くしているそうです。伐採されてから5年以上寝かせてありましたから、十分に乾燥しているでしょうけれど、台風や集中豪雨など予測できない風水害に少しでも耐えることが出来るよう、自然の摂理にかなった工法なのだなぁと思いました。

 

「よしよし、頑張っとるな。」狛犬ちゃんも組み立てをじっと見つめているようです。

 

さて笠木ですが、一本の木ではなく半分ずつ二本を真ん中でジョイントします。

それは一本では両端の「反り増し」の加工を入れると、ものすごく大きな原木が必要になることと、ジョイントすることで強度を増すためです。

こちらは凹の方。

 

そしてもう片方の凸。

 

「それぞれの上に開けてある穴は何?」職人さんに聞いてみました。

「それは栓をするんや。」

「せん?」

 

そう、鳥居の伝統工法は釘などを一切使いません。このようにして、上から島木へと打ち込むのです。

 

 

その「栓」が「ダボ」とか「タボ」と言われるもの。杉ではなく、硬いヒノキです。

「ダボダボにならへんように?」「あはは、そうかも知れんなぁ。」などなど。(笑)

 

職人さんの手になじんだ道具、鑿(のみ)。

 

きっちり栓が出来るように、入れてみた感じで、いったんダボを取り出して穴を削ります。もうこれは勘のみ。

大切な鳥居の組み立て、最後をしめる笠木をきっちりと収める熟練の技です。

 

全部のダボが入ったところでいよいよ、クレーンで吊り上げます。

 

あいにくの空模様、時おり強く降る雨の中、笠木ハーフが空高く舞い上がります。

 

「オーライ、オーライ、もうちょいこっち!」 クレーンの運転手さんもスゴ技です。

 

この時、真っ白い布にくるまれていた島木がその美しい木肌を現しました。

 

位置が決まったところで、大きな木槌でダボを打ち込んでいます。先ほどの職人さんが隙間なくキッチリ調整されたので、とても力がいるみたいです。

それでも少しずつ、ダボは埋まって行きました。

 

続いて凸の笠木ハーフが吊り上げられます。「オーライ、オーライ。」

鳥居は道路に面しています。安全を考慮して学童が通行する時間帯を避けましたので、クレーンもずっと待機していました。

やっとの出番に本領発揮!

 

皆さん、この時を待っておられました。真ん中に見えるのが宮司さま。

記念すべきこの年に新しくなる鳥居が組み立てられて行く様子を食い入るように見つめておられます。

ここに来るまでは簡単な道のりではありませんでした。けれども御神木を提供した方、伐り出した方など地元の方を含め製材所や大工さん、みんなが協力し合ってついにこの日を迎えたのです。

 

笠木の凸ハーフが凹ハーフにはめ込まれて行きます。

 

ジョイント成功! これからまた、ダボをえんやこらと打ち込んで行くのです。根気と体力が必要な、そして1ミリの誤差も許さない丁寧な仕事。

継ぎ目はよおく見ないと判らないくらいです。

 

笠木がつけられて春日神社の鳥居の棟上げがつつがなく終わろうとする頃、雨もあがりました。

「柱を見たらビックリするで。」「??」

「赤身なんや。どれだけ削ったかがわかるやろ。」

樹齢200年を超える杉の大木。中心の赤身だけを鳥居の柱として使っているのだそうです。

朱塗りではなく、天然の赤。この山で育った木だからこそ、親しみやすくそして厳かに、これから40年、50年上黒田を守り、人々に言い伝えられて行くのだと思います。

 

神々の棲むところと町を結ぶ門、鳥居。

古代、二本の木を縄で結ぶだけだった結界は徐々に姿を変え、悠久の時を経て今、一つのカタチとして存在しています。

そこに共にあるのは、語り継がれてきた道具であり、職人さんの技。

親方の声に耳をすませ、真剣に見つめる若い職人さん達の瞳には、確かに「得よう」という気持ちが込められていました。

鳥居の寿命もまた、知識と経験を育む機会、それが輪廻ならば。

だからこそ、わたし達は時には日本の歴史をふり返り、先人に頼りすぎず、職人さんの技任せにしないで、一人ひとりが暮らしの中で繋いでいく気持ちを持たなければなりません。こんなに素晴らしい伝統なのですから。

新しい鳥居はまもなく、お披露目の時を迎えます。

右京区京北宮町の春日神社創建1000年大祭は10月14日、日曜日。宮司さんの祝詞をあげる声が、山々にこだますることでしょう。(了)

 

 

 

 

 

 

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