ブログ 北山杉の里だより

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林業大学生が北山杉の枝打にチャレンジ!

2013.9.24  北山杉体験・研修 

彼岸とは言え、北山でも昼間は夏のような暑さが続いていますが、先週9月20日、京都府立林業大学校の学生さんが北山林業の枝打実習に来られました。

まず研修室にて北山林業の基本的な育林施業法について学びます。

「林全体を見ながら個々の木の成長に応じて残す枝の量を変えていくのです・・・」人間の集団生活に通じるものがあります。

講師の話は大変興味深く、我々スタッフも大いに勉強になりました。

 

また講師のお家に保存されている、北山丸太が受賞してきた数々の賞状も披露され、中には明治末期の博覧会での受賞賞状もあり北山丸太の歴史と品質の高さが伝わってきます。

講義が終わると、最初に「鎌砥ぎ」の指導。ちょっとした不注意で大けがをするので真剣そのものです。

「そこそこ、そこが大事なんだ!」指導にも熱が入ります。

先生だって指導を受けます。学ぶ姿勢を忘れない先生って素晴らしいと思います!

いよいよ次は北山杉の林に入って本番の「枝打」実習です!

枝打職人さんの後ろ姿!かっこ良いと思いませんか?

まず枝打指導講師の実演を見て勉強します。

でも実際にやるとおっかなびっくり、簡単には出来ません。その気持ち良~く分かります!

枝打跡は「五円玉」のようになるのが理想ですが、実習枝打では当然うまくいかず、後で職人さんが修正していきます。

徐々に作業の位置は高くなっていき、

はしごが必要になってきます。

しかし北山枝打のはしごは“可動式”で、熟練者には便利なものですが、初めて登るとホント怖いです。

職人さんが手本を見せます。

これ、分かりますか?「受けばしご」と言ってはしごを浮かせてはしごが掛かっている部分の枝を打つ体勢です。凄い!

 

熱血指導と学生さん達の若さと熱意で、徐々にはしご作業もさまになってきました。

もう立派な作業風景です!

更に一歩進んで、はしごのてっぺんに乗って高所の枝を打つ技を伝授しているその時、

職人さんによる“猿飛び”のデモンストレーションが始まりました。

はしごを使わず、木から木へと渡っていきます!凄い!!

足で身体を支え、手を離しています。昔は高いところはこうして枝打していたそうです。60代半ばとは思えない身の軽さです!!!

「タカスギ~、タカスギ~~タカスギ~」分かる人には分かります!!!

これを見ていた学生さん達、試行錯誤の末、はしご無しで身体を支えられるようになってきました。さすが若いちから!

北山には今こういう若い力が必要です。学生の皆さん、北山に就職!期待しています!

再び“猿飛び”が始まりました!日の光を受け、本当にかっこいいです!!!

これまでの作業のチェックと修正をしていきます。“猿飛び”も凄いですが、「きめ細やかな枝打」、これが基本中の基本です!

どこが良かったのか悪かったのか、職人さんの指導に耳を傾け、修正作業。みんな本当に真剣です!

作業終了後、「講師の皆さん有難うございました!」元気の良い、でも礼儀正しい生徒さん達でした!!!

まだ日中は暑いですが、もうススキが夏の終わりを告げています。

北山杉の林と清流が静かに秋を迎えています。

少年たちのチャレンジ!

2013.9.9  北山杉体験・研修 

先週、京都市立衣笠中学校の生徒さんが北山杉の里に「チャレンジ体験」にやって来ました。

9月2日から6日までの間、林業関連の作業を体験し、最終日は「山小屋」の制作にチャレンジしました。

険しい山道を車に揺られて山頂付近へ到着!「どうやって作るんだろう・・・」

以前の小屋の残骸です。ここに新しい小屋を作るのです。

木材を運び、

柱を立てる穴を掘っていきます。

一本、また一本と柱を立てて行きます。この柱、なんと北山丸太製です。

柱を立て終わり、

屋根を支える桁を付ければ、ホラ、ぶら下がっても大丈夫!!

屋根を作る作業は“プチ高所作業”、気をつけて!!!

緊張感を持った作業、指導者も近くで見守ります。

苦労の甲斐あって、小屋は立派に出来上がり、

柱へのネーム入れも始まり、

記念撮影も!

ずっと雨だったのがウソのように良い天気、

充実した思いと疲れから、しばし出来たての山小屋で休憩です。

これで終了かと思いきや、余りの木材でもう一つのベンチ作りが始まりました。

ドリルの力に負けてなかなか思うように止められませんが、

ご心配なく、立派に完成しました!

後片付けをして、

出来上がった山小屋はホラこのとおり、立派な出来栄えです!!!

出来上がった小屋は実際に休憩所として20年以上使われ、北山杉の今後の20年と、少年たちの成長を見続けることになります。

少年たちが10年後、20年後、大きく成長した姿になって立ち寄ることがあれば、山小屋はきっと喜んでくれることでしょう!

 

少年達に、山小屋に、そして北山林業に幸多かれ!!!

日本一の杉の産地より

2013.9.5  北山杉体験・研修 

本日は“日本一の杉の生産量”を誇る宮崎県より林研グループ御一行様が北山杉の研修見学にお越し下さいました。

 実は昨日「台風の関係でフェリーが出るかどうかわからない?」と電話が入ってたので本日無事来られるか心配していたのですが、

今朝先方より電話があり「雨の被害はないですか?」と逆に心配させてたみたいです。

 

 

宮崎県は日本一の「杉」の生産量を誇る土地柄。

その大半が飫肥(おび)杉と呼ばれるもので、温暖な気候が杉を大きく育てると話されていました。

 

 

宮崎県とは風土、気候などがまったく違う環境で育つ北山杉。

その為か皆さん北山杉の説明には熱心に聞き入っておられました。

中には8月29日に放送されたテレビ番組「和風総本家」を見られて、北山地域の職人さんについて質問された方もいらっしゃいました。

  

 

この後、御一行は移動し食事を済ませ、京都観光はせずそのまま石川県へ

「白山スーパー林道へ行きます…」との応答に余りにもハードなスケジュールにちょっと苦笑いになってしまいました。

私がここに来て一か月ちょっとは経ちますが、

全てではないにしろ遠方から来られる皆さんの移動距離や強行スケジュールに本当にびっくりさせられます。

  

 

そんな元気な皆さんと最後は北山杉をバックに記念写真。

いい旅になりますように…と、手を振ってお別れとなりました。

お客様を向えるセンター側の立場として思う事は、

強行スケジュールの訪問ではなく「北山杉の里観光」をじっくり楽しんでいただける内容で提案をしたい、していかねば・・と感じるのでありました。

 

  

『北山杉の本仕込み』がテレビで放映されます!!!

2013.8.28  お知らせ 

先日当ブログでもご紹介しました「北山杉の本仕込み」の様子が、テレビ大阪の『和風総本家』で紹介されます。

『和風総本家』HP http://www.tv-osaka.co.jp/ip4/wafu/

日時は明日8月29日夜9時から、テレビ大阪・テレビ東京他全国ネットで放映されますので、皆さん是非ご覧になって下さい!!!

 

 

 

ブログでは写真でしかもごく一部しかお伝えできませんでしたが、今回の『和風総本家』では躍動する動きを見て頂くことができます。

驚くような映像が見られると思いますので、楽しみにされて下さい!!!

 

生涯勉強!気分は修学旅行?

2013.8.26  北山杉体験・研修 

生涯勉強!

 

いくつになっても常に疑問と好奇心に充ち溢れ、行動力を持って実行する。

 

そんな事を感じさせるお客様が訪問されました。

 

 

「1歳から100歳までココロとカラダにスマイル」をテーマとされる生涯学習センター”社会保険センター浜松”御一行様が8月20日(火)・22日(木)・24日(土)の3日間で計91名の方々が『京都北山杉の里総合センター』へ北山杉研修に来られました。

 

 

 

まずは北山杉についてのDVDを鑑賞していただいたのですが、

 

その場面、場面で湧き上がる歓声

 

修学旅行に来たような少年少女?の反応に案内する私たちでさえ楽しくなりました。

 

 

 

DVDの鑑賞後はちょっとした北山杉クイズで豪華景品?を賭けて和気あいあいと場が和んだところで改めて北山杉について説明させて頂きました。

 

 

 

 

皆さん木についての知識がある様で一般的な木の育て方と北山杉の育て方の違いを熱心に聞き入り、質問されてました。

 

 

 

 

施設内の展示物を見学後、ちょっとお土産にと北山杉グッズを購入していただきました。

 

 

 

 

あとは「論より証拠」「論より体験」

 

 

 

 

倉庫内の北山丸太を実際に『見て・触って・経験して』

 

 

 

 

北山丸太の磨き作業体験もしていただきました。

 

この近くの「菩提の滝」の砂で磨いていただくのですが「なんか手がすべすべになった…」と、

 

ご婦人の中ではアンチエージングにも一役かったみたいです。

 

 

 

朝、7時半ごろ浜松を出発しての強行スケジュールの様でしたのでお疲れが出ない事を祈りつつ、

 

「いくつになっても好奇心を持って勉強する」…を、改めて教えて頂いた社会保険センター浜松御一行様でした。

京の七夕 出会いに感謝

2013.8.23  イベント 

ことしで4年目を迎えた京都の新しい夏の風物詩「京の七夕」

 

 

8月3日(土)~12日(月)の期間中

 

堀川会場、一条戻橋に設置した北山杉を利用した木工品売り場に多数のお客様がお立ち寄り頂き

 

 

完全消灯時間になる午後10時になるまで熱心に商品をご購入いただき誠にありがとうございました。

 

 

青白く輝く願い玉を追いかける様に堀川を北上、

 

各展示物に感嘆の歓声、子供たちの笑い声が闇夜にこだました京の七夕

 

 

行灯明りが堀川を照らし、その作りに皆さんが興味を示す。

 

「この行灯、逆さまにすると電気が消え、反対向けると電気が灯くんですよ 」と、

説明すると驚嘆の表情が飛び交い、説明する側も喜びを感じていました。

 

 

 帰省される親戚の方へのお土産、京都らしさを感じる物を買い求める方など様々。

 

中には「私、木の商品が大好きで去年も立ち寄ったんですよ」という男性もいらっしゃり

 

この「京の七夕」から北山杉を少しでも発信出来ているのかなという印象も持てました。

 

 

 

 

猛暑日続きの京都の夏

 

また来年、この場所でお逢い出来る事を楽しみにいたしております。

 

本当にありがとうございました。

 

 

 

 

 

北山杉の凄技『本仕込み』

2013.8.9  イベント 

去る8月2日の日、北山杉の伝統的乾燥方法である『本仕込み』作業が行われ、多数の見学客、マスコミ、行政関係の方々と一緒に、我々スタッフも“観客”として見学に参加しました。

会場近くの北山杉。バランスのとれた、いかにも北山杉らしい素晴らしい林です!

主催者から見学参加者への挨拶。今年の見学参加者は特に多かったそうです。

きれいな杉林を横目に見ながら、

会場へ出発です!

 

木材運搬用モノレールがありました。年季が入っています。

傾斜のある杉林の間の山道を更に進むと、

今まで見たこともないようなきれいで立派な北山杉の林!! この上が本日の会場です。

会場に着き、上から見た『本仕込み』作業の様子。

全景が良く見えないので、杉林、いや“崖”を降りることにしました。

少し降りるとやっと全体が見えました。が、まだまだ迫力が足りません!もっと下へ行きましょう!

「真下からの作業風景」!圧巻です!!!

更にもう一枚!

 

近づいてみると作業風景はこんな感じ。

木の根元はこうなってます。怖くないんでしょうか?私は絶対無理ですね(^^;

当日の仕事のスケジュールの関係上、我々スタッフの見学会参加はここまでとなりました。

 

後日、本仕込みが完了した様子を再度撮影に行きました。

前回も登った道なんですが、「こんなにきつかったけ(^^;?」と思いつつ登っていくと、

見えました!きれいに槍組された北山杉丸太が並んでいます!!!

上からはやはり全体が見渡せないので、降りてみましょう。

きれいに皮剥きされて「槍組」に組まれた北山杉!!見事です!!!

職人さんは特に意識はされていないのかもしれませんが、高い技術で作られたものはやはり美しい!!

これはもう“芸術作品”です!!!

 

この状態で5~6日乾燥させた北山杉丸太は、表面に艶と粘り、優美な色調が現れ、かつ割れにくいものになり、昔は北山杉の乾燥方法と言えばこの『本仕込み』でした。

しかし時代の流れと共に減少の一途をたどり、今や殆どやっている所はなくなりました。作業のできる職人も年々減少し、作業チームを指揮できる親方はもはや一人になってしまったとのことです。

今や『本仕込み』は、“伝統行事”というイベントに近いものになってしまっているのが現状です。

北山杉の需要が伸び、『本仕込み』を主要生産技術として残せるのが一番良いのでしょうが、それができなければ、“伝統文化”“無形文化”として技術だけでも後世に伝える必要があるのでは?そんな想いを強くしました。

 

 「北山の、里に伝わる本仕込み、永久に続けよ森人の技」 ・・・・ おそまつ!

京の七夕

2013.8.6  イベント 

今年で4年目となる京都の新しい夏の風物詩…「京の七夕」

 

一年に一度の願いが叶うようにと全国から「願い」を募り、

 

竹と光などで演出する京都の七夕イベントです。

 

 

 ◎8月3日(土曜)~12日(月曜)までの期間で下記エリアにて開催されます。

堀川会場…堀川遊歩道(二条城辺り~一条戻橋)

※堀川会場は北向きの一方通行

鴨川会場…御池通り~四条通り近辺

 

 

私たちは堀川会場のゴール地点、一条戻橋下のブースにて、今年も北山杉をはじめとした京都の木

「みやこ杣木(そまぎ)」のPR出展しています。

 

※京の七夕HPより引用

 

3日土曜日、午後3時位から準備を開始。

 

太陽が燦々と降り注ぐ中での作業は汗が止まりませんねぇ(^^;

 

 

 

その間でも会場内には多くのお子さん連れの家族が水面で水遊び

 

水しぶきがあがるたび、子供たちの笑顔が絶えませんでした。

 

 

 

そんな子供たちの笑顔見ながら準備は進み

 

スギの木に印刷した絵葉書や・・

 

 

北山杉で作ったインテリア小物に文具、玩具などなど…

 

テーブル内にどうレイアウトするかを「あ~でもない、こうでもない」と、

 

言いながら準備するのが一番楽しい時かも知れません。

 

  

 そして街はだんだん暗くなり、会場内の灯りが堀川沿いに浮かび上がるのでありました。

 

 今年は京都のスギやヒノキなど「みやこそまぎ」を使った行灯を製作し、LEDの光で堀川を彩りました。

 

 

土曜日はまだ天候は良かったのですが、

 

4日(日曜)、5日(月曜)は京都市内も午後から激しい夕立に見舞われ

 

点灯時間を過ぎてからも時折襲う雷雨は見学者の出脚を鈍らせたようです。

 

 

 

 

そんな中、5日の月曜日には門川京都市長も見学に来られ

 

 

 

 

当ブースにもお立ち寄り頂いての談笑です。

  

 

 

最後は行灯を持っていただいて満面の笑顔で…「はい、チーズ」

 

ちゃっかり京都の木のPR大使になっていただきました(^0^)/

 

8月12日(月)までの会期中、一条戻り橋の下で毎日出展しています。

 

お出かけの際はぜひお立ち寄りください。お待ちしております。

 

里山問題に想う

2013.8.1  日記 

皆さんは「ナラ枯れ」というものをご存知でしょうか?

里山の美しい紅葉! ?でも、周りの木はまだ緑のまま???

近くで見るとこんな感じ。そう、ナラ・シイ・カシ等のいわゆる「ドングリの木」だけが枯れているのです。

これが「ナラ枯れ」と呼ばれる現象で、私の家の近くにも沢山見られます。

犯人はこの虫、「カシノナガキクイムシ」が運んでくる病原菌で、1980年代以降大量発生しています。

これら「ドングリの木」は元々薪・炭の原料で、その需要激減により、抵抗力の弱った老木が増えた事がその主な原因です。

また、1970年代以降に大量発生している「マツ枯れ」により、競争相手が減ったことも一因です。

 

 公園のようにきれいに下草を刈って整備しても、逆に「カシノナガキクイムシ」の格好の餌食になるというからやっかいです。

 「ナラ枯れ」の根本対策は、単純明快、“成長した木を伐って使う”ことです。

 

  

皆さんおなじみのタケノコ、とても美味しそうです。

 しかし、輸入タケノコとの価格競争に敗れ、管理されない竹林は荒れ放題。これではタケノコは出来ません。

更に、生命力の強い竹は野放図に拡大しています(鳥取:赤線内が30年前、黄線内が現在)。

竹林は、人が管理して竹やタケノコをどんどん使わなければ暴走するばかりなんです。

 

 

シカ!可愛いですよね!

鹿氏!いや、しかし、保護の行き過ぎと狩猟の衰退により、山に甚大な被害をもたらしています。

樹皮がこんなに食べられています                

正常な杉苗はこうですが、

シカに芽を食べられて上に伸びなくなっています

シカの食害に遭った苗を植替えたのですが、多くが枯れてしまいました

 

桧のシカ食害防止ネット。膨大な手間と費用が掛かりますが、それでも完全に防げません。

今やシカは日本の農業・林業最大の“害獣”です。

生産者の防御にも限界があり、山の生態系維持の観点からも、シカは“適正な捕獲”が必要です。

 

時代の流れにより、日本人の生活様式も変わり、山との関わり方も問題点も大きく変貌しています。

これらの「里山問題」はそれらを我々に明確に告げているのではないでしょうか?

 

日本の里山の木々は、マツもドングリの木も竹林も、“手付かずの自然林”ではなく、元々人が管理していたものです。

スギ・ヒノキ等の建築に使われる針葉樹林は言うに及ばず、殆どが人工林です。

 

今必要な「管理」とは、ある意味明快で、“伐って(獲って)使う”ことです。

困難は山ほど(山だけに(^^;)あると思いますが、資源はそこにあり、使われるのを待っているのです。

 

 

世界の木材の3分の2は実は先進国で生産されていて、オーストリアの貿易黒字の5割は木材産業が稼ぎ出し、世界有数の自動車生産大国であるドイツの木材産業の雇用人口は自動車産業のそれをしのいでいます。

そのドイツは日本の人工林とほぼ同じ面積から、日本の4倍以上の木材を生産しているのですが、逆に考えると、日本はドイツ並みの木材生産が可能なだけの資源を持っているということになります。

もちろん、林業のインフラから行政から何から何まで違うので、日本とドイツを同列に考えることはできないのですが、我々は“宝の山”を確かに持っており、それが今まさに危機に瀕しているのです。

 

日本の林業がこのまま衰退を続けるのか、新たな日本経済の成長エンジンになるのか、その選択をするのは我々自身です。

北山杉の真髄 枝打ち

2013.7.29  生産作業 工程 

梅雨が明け本格的な夏のこの時期、北山では枝打ち作業が始まります。

春の成長時期には皮が剥けやすく、木肌に傷がつくので、枝打ちは行いません。それが7月の下旬になると成長が落ち着きはじめ、木肌が固まってくるので、枝打ち作業ができるようになります。但し、やはり杉に与えるダメージを最小限にするため、「ヒモ枝打ち」と呼ばれる(ひものように細い枝を打つからこう呼ぶそうです)、植林後7~8年生の初めて枝打ちをする木からはじめます。

北山杉に枝打ちを行う理由は

1.丸太表面に節痕の無い、ツルツルの木肌に仕上げるため。

2.まっすぐに伸び、真円の杉をつくるため。

3.成長を抑え、年輪の詰まった、強度のある干割れしにくい丸太をつくるため。

などがあげられます。

つまり、細く長く育てて、まっすぐな節痕の無い磨き丸太をつくるための、もっとも重要な作業が「枝打ち」なんです。

職人さんが手に持っているのが「枝打ち鎌」。草刈り用とは違い、刃先が短く、幅も狭くなっています。

常に切れ味を保つために1日に4~5回は砥ぎます。

 

手前の木の枝打ち痕にご注目!!幹ギリギリの高さ・・いや少し荒皮をむき、ややえぐるように枝を打ち落としていきます。打ち痕が高くなると、節として長く残ってしまうので、できるだけ幹にそってきれいに打ち落とすようにします。

「打ち痕を見れば職人さんの熟練度がわかる」と言います。安定してこのようにスカッ!と打てるようになるまでに、最低3年はかかるそうです。ちなみにこの職人さんはこの道30年のベテランさんです!!

 

パチッ  パチッ  林に枝を打つ小気味良い音が響きます。

やや太めの枝を打つ時は、このように枝を下方へ十分に絞り、一気に打ち落とします。

 

鎌を持つ右手側の枝を打つ時も、左手で枝を下へ十分に絞り・・・

 

パチッ と一気に打ち落とします。この時、手を切らないように、枝を持つ左手は木の裏側から回すようにします。

 

そして腰より下の枝は「鉈(なた)」を使います。鉈はこういった低い場所の枝や、鎌で打てないくらいの太い枝を打つ場合に使用します。

 

地面には、緑の絨毯が広がります。この枝葉はやがて朽ちて杉の肥料となります。

 

この枝打ち作業はこの後4~5年おきに、4~5回繰り返し行い、やがて30年生以上で伐採される頃には、荒皮の下にツルツルのきめ細やかな木肌と、目の詰まった年輪を持った、真っ直ぐに熟成された北山杉となります。

その間、枝打ち職人が1本1本樹幹を登り、それぞれの杉の個性を見て、太くなりすぎていれば「ゆっくり大きくなれよ!」と多めに枝を落とし、他より細ければ「早く大きくなるんだぞ!」と枝を落とす量を少なめにします。

まさに、わが子を育てるように、北山杉は育てられるのです。この北山杉の育成に無くてはならない枝打ち技術。そして枝打ち職人。

なんとしてでも後世に受け継いでいかなければならないと、改めて感じました。

 

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